救命ボートとは? わかりやすく解説

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きゅうめい‐ボート〔キウメイ‐〕【救命ボート】

読み方:きゅうめいぼーと

船舶航空機備え付けて水中遭難時に使用するボート救命艇


救命ボート

作者マーキュリー

収載図書カプセル妖精奇想幻想短編集
出版社碧天舎
刊行年月2005.11


救命ボート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/28 02:05 UTC 版)

救命ボート
タイタニック号沈没事故の際に使用された救命ボート(折りたたみ式)。

救命ボート(きゅうめいボート)とは、船舶事故時の脱出用あるいは水害発生時の被災者救出用に使用される小型ボートのこと[1]。特に船舶に装備され遭難時に降ろして使用する舟艇を救命艇(Life boat)[2]、沿岸の基地に配属され船舶事故の際に出動して人命救助等にあたる舟艇を救難艇(Rescue boat)[2]という(後者については救難艇も参照)。また、海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)では船舶に搭載する救命設備として救命艇とは別に救助艇(数人ずつ救命いかだに搬送して収容するために用いる舟艇)を定めている[3]。なお、陸上に常備しておくものとして津波救命艇がある[4]

船舶の救命設備

救命艇

膨らんで利用されるカプセル型
ISO 7010で定められた通路の先に救命艇があることを示す安全標識
発煙浮信号

船舶に装備され遭難時に降ろして使用する舟艇を救命艇(Life boat)という[2]。この形式の舟艇は法律上も救命艇と呼ばれる[5]

船舶に搭載される救命設備には救命艇のほか、救命筏救命浮環救命胴衣などがある[2]。これらの救命設備(救命艇、救命筏、救助艇など)は、海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)にて船舶の種類に応じて設置が義務付けられている[3]。また、これらの救命ボートへの要求水準や船舶毎に設置する救命ボートの種類なども定められている[6][7]

  • 旅客船や乾貨物船などに対して、部分閉囲型救命艇全閉囲型救命艇自己復正部分閉囲型救命艇
  • ガス運搬船や化学薬品を扱う船など用の空気自給式救命艇(自蔵空気維持装置付救命艇)。
  • 石油タンカーなどでは、耐火救命艇
  • ばら積み貨物船などでは、自由降下式救命艇

また、飽和潜水ダイバーを運用する船では、高気圧救命艇を備える場合もある[8]

海面への移動は、ダビット英語版などがあり、傾斜角英語版が一定レベルであっても利用できるようになっている。自由降下式救命艇は、83年SOLAS改正で提案され、迅速な脱出が可能である。方式としては、30度ほどの傾斜角があるスライドを滑ってダイビング後に海面に浮上するスライド降下方式、吊り下げ状態から自由落下する自由落下方式がある[9]

救助艇

1983年改正の海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)で貨物船や旅客船に装備される舟艇として救命艇とは別に救助艇が定められた(船種ごとに定められた救命設備要件も救命艇とは異なる)[3]

船舶に搭載された救助艇で一度に救助できる人数は3人から4人程度であり、この救助艇を使って救命いかだに収容した後、救命いかだを曳航することで多くの遭難者を救助できる[3]

舷側ハッチからの救助作業が可能な全閉囲構造の救命艇兼救助艇が開発されたことから、貨物船では専用救助艇は置かれなくなっている[3]。一方で、自由降下式救命艇は、救命艇に定められた揚収時間の要件(本船への揚収時間5分以内)を満たすことが困難で、ハッチがプロペラに近い艇尾にあり遭難者への接近が難しいなど、救助艇との兼用は難しい場合がある(そのため自由降下式救命艇を設備する船舶では専用救助艇を装備せざるを得ない)[3]

ギャラリー

救助活動用舟艇

水害発生時の被災者救出用に使用される小型ボートのことも救命ボートと称される[1]。ボートには後部に船外機を取り付けたものや手漕ぎボートなどがある[10]。船外機付き救命ボートは広範囲に点在する要救助者と救助場所との間の往復をスムーズに行うことができる点が長所である[10]。ただし、長時間浸水している地域では底に瓦礫等が蓄積していることがあり、船外機に影響を与えることから、手漕ぎボートのほうが救助活動に有効な場合もある[10]

材質や形状により、ゴムボート、ポータボート(高圧縮ポリプロピレン等)、FRP(繊維強化プラスチック)、アルミボート(アルミニウム)、ラフトボートなどの種類がある[10]

宇宙の救命ボート

宇宙船宇宙ステーションにも救命ボートに相当するものが搭載されている。

アポロ計画で採用されたLES(試験飛行)
1963年

これには幾つかあり、NASAアポロ計画で使用されたサターンVロケットには、打ち上げフェイズのトラブル時に緊急脱出用として、宇宙飛行士の乗った指令船の一部を固体ロケットで切り離して一定距離を自力で飛行できる能力が搭載されていた(→ LES )。ロシア/ソビエト連邦の宇宙船ソユーズにも同種システムが採用されており、過去に一度だけだが実際のトラブルに際して使用され、乗員の脱出に成功している(1983年9月26日)。なお同システムはオリオン型宇宙船にも採用予定である。

またスペースシャトルでは打ち上げ・再突入時における安全な脱出方法はその飛行速度もあって搭載されていない。射出座席のような装置も、現実的ではないと考えられている。ただし軌道上のトラブルでシャトルを放棄せざるをえなくなった際に軌道上に脱出するための「レスキューボール」と呼ばれる白いナイロン製の装備(→ Personal Rescue Enclosure[1])が計画されていた。これらはもちろん大気圏への再突入を行うことは不可能だが、宇宙服のように宇宙の厳しい環境から中の人間を保護するための生命維持装置が組み込まれており、これで故障したシャトルから船外活動の訓練を受けた飛行士に運ばれ別のシャトルへの乗り換えを行うか、宇宙空間を漂いながら救助を待つと言うアイデアである。しかし現状では、すぐさま軌道上を漂流するこれらを回収する手段がないため、本採用には至らなかった。直径約86cmで、人1人が1時間程度宇宙空間で生存可能である。

現在運用されている国際宇宙ステーション (ISS) では、同ステーション生活者の緊急脱出用にソユーズの軌道船が接続されている。ソユーズは半年程度で交換される。宇宙ステーションの破損など非常の際には、独立した生命維持システムを搭載するこの宇宙船に乗員らが乗り込んで操縦、大気圏突入を行って地球へ帰還、すぐさま救援が行えない地域や海域への不時着の場合でも、後述する再突入カプセルに用意された各種サバイバルキットを使用して命をつなぐことが想定されている。

アメリカではISSからの大気圏再突入可能な乗員帰還機(CRV)としてXプレーンシリーズのX-38開発を進めていた。この機体は緊急時に自動航行で大気圏突入を行う機能があり、将来的には特別な訓練を受けていない研究者でも、乗り込みさえすれば地球上に帰還できるとしていたが、開発中止となり、緊急脱出機材としてはソユーズのみが運用されている。

なお打ち上げと帰還に際して、事故などによる海面着水時に備えて、打ち上げロケットや大気圏再突入用のカプセルには、サバイバルキットの付属した救命いかだ(水に浮くもの)も搭載されている。

余禄ではあるが、アポロ13号では宇宙船の故障により、月着陸船を元々の設計目的で利用することは無かったものの、これに搭載された生命維持システムが乗組員の生命を繋ぐ文字通りの「救命ボート」となった。この事故は宇宙開発史に残る「輝かしい失敗」と呼ばれ、『アポロ13』として映画化されている。

脚注

  1. ^ a b 平成29年度救助技術の高度化等検討会報告書”. 総務省消防庁. p. 121. 2026年2月28日閲覧。
  2. ^ a b c d 池田勝「古今用語撰」『らん』第10号、関西造船協会、1990年、36-41頁。 
  3. ^ a b c d e f 自由降下式救命艇と関連救命設備の設計指針 最終報告書”. 日本船舶海洋工学会. 2026年2月28日閲覧。
  4. ^ 「津波救命艇」に関する情報 | 四国運輸局
  5. ^ e-Gov 法令検索”. laws.e-gov.go.jp. 2024年12月16日閲覧。
  6. ^ 山口, 豊利「救命艇の変遷と現状」1989年、doi:10.14856/zogakusi.718.0_235 
  7. ^ 山口, 豊利「4. 船舶救命設備 (<特集>船上生活とその設備)」1999年、doi:10.14856/ran.45.0_16 
  8. ^ SP Hyperbaric Lifeboats (SPHL)” (英語). Thrust Maritime LARS. 2024年12月16日閲覧。
  9. ^ 小川, 陽弘、田崎, 亮「自由落下式救命艇の着水後の運動について」1996年、doi:10.14856/technom.810.0_870 
  10. ^ a b c d 平成29年度救助技術の高度化等検討会報告書”. 総務省消防庁. pp. 38-39. 2026年2月28日閲覧。

関連項目


救命ボート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 12:55 UTC 版)

操船術」の記事における「救命ボート」の解説

ある程度の距離を航海する船舶は、船体沈没火災などの危険な状態から乗員乗客安全に避難できるよう、必要なだけの「救命ボート」の搭載義務付けられている。外洋客船では国際規則によって、片舷の救命ボートだけでも乗員乗客避難必要なだけの数を備えるように決められている。 救命ボートにはボート型の他にプラスチック・カプセルに収められ膨張式の「救命いかだ」(Life raft)もある。救命いかだカプセルはたとえ沈没する船に放置されたままでも4m上の水深水圧加われば自動的に離れて水中から浮かび上がり展張するようになっている。 救命ボート内には1人当り3リッター分の飲料水をはじめ、食料発煙信号器懐中電灯などいくつかの救命備品備えられている。 大型クルーズ船では100程度乗船できるテンダーボート兼用小型船搭載していることが多く大型船接近できない所を観光する際にも使用される。 手漕ぎ式の救命ボート 救命いかだと船から伸びた脱出シュート 円形救命いかだ カプセル収められ膨張式の救命いかだ 船室備えた救命ボート クルーズ客船オーステルダム搭載され双胴型の救命ボート兼用テンダーボート

※この「救命ボート」の解説は、「操船術」の解説の一部です。
「救命ボート」を含む「操船術」の記事については、「操船術」の概要を参照ください。

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