地熱エネルギー
【英】: geothermal energy
地熱資源には火山のマグマだまりに起因する火山性のものと、地球内部の熱に起因する非火山性のものがある。そのなかで利用できるのは地下数千 m の所までに賦存している高温の熱水と蒸気である。わが国は世界有数の火山国としてこの活用が期待されているが、経済的に大量・継続的に採取・利用できることが必要である。この利用方法としては、ボーリングによって坑井を掘削して高温・高圧の熱水や蒸気を自噴させ、そのエネルギーでタービンを回す地熱発電と暖房・給湯などへの熱供給とが挙げられる。発電には通常蒸気を利用するが、熱水が量的に非常に多い場合は熱水を第一次熱源とし、熱交換器を介して低沸点媒体を加熱蒸発させ、これでタービンを回すバイナリー発電とロータリー・エンジンの原理を用いたトータル・フロー発電があり、熱水専用方式と蒸気併用方式がある。1984 年現在、米国ではカリフォルニア州を主として百万 KW を超す地熱発電所が建設されており、イタリアでは 400MW 以上、ニュージーランドでは 200MW 以上の地熱発電が実用化している。わが国でも、東北地方と九州とで 7 カ所計 165MW の発電所が建設されている。また非火山性の深層熱水を直接暖房などの熱供給に利用するシステムは、既にフランス、ハンガリーなどで実用化されている。現在の地熱発電では、天然に蒸気・熱水を得られる条件のある場所を探し当てなければならず、またその能力も天然の条件によって決まるが、新しい方式として、地下深部の高温の岩体に、坑井を通して人為的に注水し、地熱で加熱された熱水を汲み揚げる、「高温岩体発電システム」の研究開発が進められている。 |
地熱
(地熱エネルギー から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 18:36 UTC 版)
地熱(ちねつ、じねつ)は、地球内部の熱源に由来する熱エネルギーである。エネルギーの移動形態としての性質を強調するときには、地熱エネルギー(英: geothermal energy)という語も用いられる。太陽光や風力、水力、バイオマスとともに、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーとして今後の利活用増大が期待されている。
- ^ 国立天文台教授 佐々木 晶「地球の初期のエネルギー」放送大学1 物質環境科学II 第8回(2008年)
- ^ 九州電力 「地熱バイナリー発電方式」の概要
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