内部の熱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 06:20 UTC 版)
1966年から知られていたことであるが、木星は、太陽から受けるよりも多くの熱を放射している。木星から放出される熱と太陽から受ける熱の比は、1.67 ± 0.09と推定されている。木星の内部の熱流束は5.44 ± 0.43 W/m2であるのに対し、合計の放射熱は335 ± 26ペタワットである。後者の値は、太陽から放射される熱の約10億分の1に相当する。この過剰な熱は、主に木星の形成の初期段階の熱であるが、一部はヘリウムの核への降下による熱である可能性がある。 内部の熱は、木星の大気のダイナミクスに重要な役割を果たしている可能性がある。木星の傾斜度は約3°と小さく、極は赤道よりも太陽から受ける放射が少ないが、対流圏の気温は赤道から極までかなり均一である。この説明の1つは、木星の内部の対流がサーモスタットのように働き、赤道地域よりも極地域で多くの熱を放出しているとするものである。熱は、地球では大気の循環により赤道から極まで運ばれるが、木星では深層対流によって熱力学的平衡に達する。木星内部の対流は、主に内部の熱により駆動されると考えられている。
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