VVVF省エネ車(1984年以降)
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「近畿日本鉄道の車両形式」の記事における「VVVF省エネ車(1984年以降)」の解説
「L/Cカー」も参照 車体外観は前世代とほとんど変わらない(3200系・5200系列・7000系列などを除く)が、以下の通り多くの変化が加えられている。 第2世代以前の2両編成の廃車が始まったことによる代替目的などから、2両編成の車両が多い。逆にこの世代からは3両編成車が製造されなくなった。 制御方式がVVVFインバータになり、側面乗務員扉直後に「VVVF INVERTER」のエンブレムが貼付された(5800系のみ「L/C」のエンブレムが貼付されている(2009年3月以降順次撤去)。また機器メーカーが日立製作所製か三菱電機製かによって、一部系列を除き系列番号を分けている。 1986年の3200系より本格的にアルミ合金製車体を採用。初期車は主にA6N01アルミ合金が用いられていたが、1233系・1430系・6413系以降はリサイクル性と溶接性を考慮し、A7N01アルミ合金が用いられている。ただし、急行用車両として3扉構造で新製された5200系のみ、側窓を大型化した関係で構体開口部が他系列と比較して大きくなったため、構体強度確保の観点から普通鋼製構体を採用している。これとは別にけいはんな線所属の7000系も普通鋼製構体となっている。 全幹線新規格車体が本格採用され、奈良・京都線と同じ広幅裾絞り(最大幅2,800mm)となった。 3200系以降、中間車の窓配置が前後対称となる。これに伴い定員1名あたり座席幅が車端部及び乗務員室後部が400mm(4人または7人掛け)、ドア間が430mm(7人掛け)と不均一であったものを全て430mmに統一した(車端部の座席は5人掛けに変更)。この影響で、座席定員が若干少なくなり(先頭車両6名、中間車両2名分)、また先頭車両の運転台後ろにあった座席も廃止され、車椅子スペース(1991年までの新造車両では落成当初は設置していなかったが、2004年までに設置完了)へと変更された。 1989年に製造を開始した車両からは新アルミ材の使用および台枠構造の関係で、車体裾が下方向に若干長くなった。 3200系以降、マルーンレッド(それまでの1色塗り時代のものより明るい色調とし、同時にマルーンよりマルーンレッドに改称した)とシルキーホワイトのツートンカラーを採用。この配色は幹線系全通勤車と、後に特殊狭軌線を除く支線にも採用された。2001年頃からは更に裾部と雨樋部分(1420系以前の車両。雨樋が埋め込まれている車体構造となった3200系以降では塗り分けられていない)のマルーンレッド塗装を省略した簡略化塗装への変更が幹線系・支線双方で進められ、現在ではシリーズ21とアートライナー、復刻塗装を除く全通勤車がこの簡略塗装となっている。 袖仕切りがパイプのみから、化粧板を併用したタイプとなった。 運転席のメーターパネルのデザインが若干変更された(カラーも水色から茶系になった)。ただし、6400系の最初の2編成は従来型のデザインおよびカラーの運転台であった。 この世代のみ、機器面におけるごく僅かな変更点でも、1位単位で別系列に区分されている。 3200系を除き、大阪・名古屋線と奈良・京都線で導入系列が統一された。ただし運用上在来車と混結する必要があるため、編成の向きやノッチ操作の設定は配置線区により異なっている。 2020年頃には列車内液晶ディスプレイ(LCD)が取り付けられている車両が増えてきたが、未だに未搭載車両とLED表示機搭載車両(5200系・5820系・9020系なども含む)が残っており、現時点で完全に普及していない。
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