マクラーレン・MP4-16とは? わかりやすく解説

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マクラーレン・MP4-16

(MP4-16 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/25 06:18 UTC 版)

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マクラーレン MP4-16
カテゴリー F1
コンストラクター マクラーレン
デザイナー エイドリアン・ニューウェイ
先代 マクラーレン・MP4-15
後継 マクラーレン・MP4-17
主要諸元
エンジン メルセデスFO110K
主要成績
チーム ウエスト マクラーレン メルセデス
ドライバー 3. ミカ・ハッキネン
4. デビッド・クルサード
出走時期 2001年
通算獲得ポイント 102
初戦 2001年オーストラリアGP
初勝利 2001年ブラジルGP
最終戦 2001年日本GP
出走 優勝 表彰台 ポール Fラップ
17 4 13 2 4
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マクラーレン・MP4-16 (McLaren MP4-16) は、マクラーレン2001年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カーである。

概要

前年のMP4-15MP4-13MP4-14の発展型であったのに対して、MP4-16はテクニカル・ディレクターエイドリアン・ニューウェイが指揮をして、完全に新設計されたマシンである。

などのレギュレーション変更に合わせて設計された。

開発

フロントノーズはマクラーレン独自のローノーズコンセプトを止めて、主流のハイノーズタイプに変更してきた。フロントサスペンションのロワアームはモノコック下のバルジに接合され、プッシュロッドリンケージの穴の形状も変わって、サスペンションのジオメトリーも大幅に変更されている。フロント周りやサイドポットほかの空力も見直された。

リアウィングも変更し、その影響でリアサスペンションも改良をしている。アッパーアームがリアのクラッシャブルストラクチャーにマウントされた新設計である。

コクピット位置が大幅に後退し、よりマシンセンターに近づいており、着座位置そのものも低くなっている。コクピット周囲の高さも、かなり低められていることは、昨年まではなかったレギュレーション対策のサイドのフィンからも見て取れる[1]

開発陣では先シーズンでエアロダイナミクス担当のアンリ・デュランと、コンポジット担当のスティーブ・ニコルズがチームを去っていたことが、マシン開発を進めていく上での懸念となっていた。

シーズン

今シーズンこそ、信頼性向上と臨んだシーズンであったが、開幕戦オーストラリアGPではミカ・ハッキネンが25周目に、右フロントサスペンションのアームが突然折れ、3年連続の開幕戦リタイアで始まった。ロン・デニスが作戦上、ハッキネンが勝てたレースと語っているが[2]、後にハッキネンはこの事故で引退について初めて考えたと吐露している[3]

2001年カナダGPでのMP4-16
ミカ・ハッキネンがドライブ

ここからハッキネンは第10戦フランスGP迄に、2戦に1回の割合でメカニカルトラブルを被り、やむなくチャンピオンシップ争いから脱落した。特に第3戦ブラジルGP、第6戦オーストリアGP、フランスGPと3つのグランプリでスタート時にグリッドから動けずに0周リタイアに終わっている。そして第5戦スペインGPでは、2位に40秒もの大差を付けトップを独走していたファイナルラップに入った直後、油圧系トラブルによりスローダウン、裏ストレート手前でストップしてしまいシーズン初優勝を逃した。2位走行していたフェラーリミハエル・シューマッハに優勝をさらわれた事はハッキネンのモチベーションを著しく下げた。結果的にハッキネンは第15戦イタリアGPで休養宣言をし、翌年の第12戦ドイツGPで正式に引退を発表した。

一方のデビッド・クルサードは第7戦モナコGPポールポジションを獲得したものの、ラウンチコントロールのトラブルでフォーメーションラップに出られず最後尾からのスタートとなったことと第8戦カナダGPのエンジントラブル以外は、中盤戦までメカニカルトラブルもなく2勝してポイントを重ねたが、速さでミハエル・シューマッハに差をつけられていた。そして第11戦イギリスGPでは、ジョーダンヤルノ・トゥルーリとの接触事故でリタイアしたことにより、自身でタイトル争いから脱落してしまった。最終戦日本GPにドライバーズランキング2位をフェラーリのルーベンス・バリチェロと争っていたが、ハッキネンに順位を譲ってもらい3位入賞した。10度の表彰台を得て自身最高のドライバーズランキング2位となったものの、チャンピオンのミハエル・シューマッハには、ほぼダブルスコアの大差をつけられた。

チームはテクニカル・ディレクターエイドリアン・ニューウェイが、友人でもあるジャガーのチーム代表兼CEOボビー・レイホールに誘われ、ジャガーと契約した。しかし、デニスはニューウェイを説得し、ジャガー入りを翻意させる騒動が発生し、ニューウェイをなんとか残留させた。その間、マシン開発が頓挫したこともフェラーリに独走された要因の一つとなった[3]

スペック

シャーシ

エンジン

シャーシ・エンジン・ダッシュボード・イグニッション・オルタネーターコントロール・センサーデータ解析及びテレメトリーシステムを管理

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 ポイント ランキング
AUS
MAL
BRA
SMR
ESP
AUT
MON
CAN
EUR
FRA
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
USA
JPN
2001 3 ハッキネン Ret 6 Ret 4 9 Ret Ret 3 6 Ret 1 Ret 5 4 Ret 1 4 102 2位
4 クルサード 2 3 1 2 5 1 5 Ret 3 4 Ret Ret 3 2 Ret 3 3

ドライバーズランキング

  • ミカ・ハッキネン 5位 37ポイント
  • デビッド・クルサード 2位 65ポイント

注釈

  1. ^ メルセデス・ベンツエンジンシリンダーブロックは、軽量なベリリウム合金を使用していたが、フェラーリが「ベリリウム合金は人体に有害である」という抗議をして、使用禁止となった。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^  「F1速報 - 開幕直前号」 ニューズ出版、2001年、4-9頁、63頁。
  2. ^  『GPX(F1 Grand Prix Xpress)』 オーストラリアGP号、山海堂、2001年、10頁。
  3. ^ a b  『2001F1総集編 - AS+F増刊』 三栄書房、2001年、30-34頁、110-111頁。






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