IPTハイブリッドバス(非接触給電システム)
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「日野・ブルーリボン」の記事における「IPTハイブリッドバス(非接触給電システム)」の解説
IPTハイブリッドバスはあらかじめ路面に供給コイルを備え付け、その上に停車した車両が車両床下に搭載した車載コイルを通じて給電を行う方式のハイブリッドバスである。IPTはInductive Power Transferの略で日本語では「非接触大電力充電」や「非接触給電システム」などと訳される。 国土交通省の推進する「次世代低公害車開発・実用化促進プロジェクト」の一環であり、同システムを用いた大型観光バス・セレガRが2004年の第38回東京モーターショーに出品されているが、停留所の間隔が短く、かつ決まった場所に停車する市街地の路線バスに適したシステムであり、現在は路線バス中心で開発が進められている。実際には走行に必要なエネルギーを全て電気でまかなうことを目標とし、排出ガスの大幅な低減が期待されている。 2008年の洞爺湖サミットを控え、データリサーチおよび低公害車への取り組みを各国へアピールすることを目的に、日本空港ビルデングが羽田京急バスに委託して運行する羽田空港ターミナル間無料連絡バスにおいて2008年2月15日から同年2月29日まで試験走行が行われた。2008年7月の洞爺湖サミットでは国際メディアセンターのシャトルバスとして活躍、10月16・17日には国土交通省主催で上高地での試験走行を行った。 2009年には2016年夏季オリンピック招致活動の一環として、東京都交通局に貸与して都営バス深川営業所の都05系統「グリーンアローズ」(東京駅 - 銀座4丁目 - 晴海埠頭)で4月13日から4月27日まで試験走行を行った。 また6月6日・7日には横浜赤レンガ倉庫で開催された低公害車のイベント「エコカーワールド」に出展、桜木町駅からのシャトルバスを兼ねた試乗車を務めた。 2011年には車体側面にも車載コイルを装着した試作車が登場、こちらも都営バスに貸与され、深川営業所の都05系統で1月31日から2月14日の平日に実証運行を行い、東京駅と晴海埠頭に給電コイルを仮設した。2011年12月2日から12月18日には内外装を改めた車両が登場、三度都営バス深川営業所に貸与されて貸切扱いで豊洲駅から東京ビッグサイトの間で実証運行を行い、東京ビッグサイトに給電コイルを仮設した。今後は他の場所での運行も検討されている。 羽田空港および都営バスで試験走行に供されていた車両では、モーターで走行する領域を広げるべく、屋根上の二次電池をニッケル水素電池からリチウムイオン電池(512ボルト・容量80Ah)に、エンジンはJ08E型177kw (240PS) からリエッセのJ05D型132kW (180PS) に変更されている。また客室に機器を増設したため後部の座席が6席減少している。 IPTハイブリッド車 HU8JMFP改 羽田京急バス 東京都交通局(2009年バージョン) 東京都交通局(2011年バージョン)
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