4代目 S6#/7#型(1971年 - 1974年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 00:43 UTC 版)
「トヨタ・クラウン」の記事における「4代目 S6#/7#型(1971年 - 1974年)」の解説
ボディバリエーションは4ドアセダン、2ドアハードトップ、カスタム(ワゴン)、バンの3種となった(車両型式はハードトップがS7#系、それ以外がS6#系)。このモデルからは「トヨタ・クラウン」となる。 「スピンドル・シェイプ(紡錘形)」と呼ばれる、丸みを帯びたスタイルから「クジラ」の愛称を持つ。三角窓を廃して曲面を多用した車体や、バンパーをボディー同色としたカラードバンパーの標準装備を特徴とする、斬新で革新的なスタイリング(渚徹の作によるもの)が、登場当初は歓迎された。しかし、ボディー先端を絞り込んだデザインによってエンジンルームへの通風が不足し、夏季にオーバーヒートが続発したことや、ボディーの先端形状の見切りの悪さから、取り回しに支障が出たことによる不評が相次いだ。これらが要因となって、同時期にモデルチェンジしたセドリック/グロリアに販売台数で逆転されたことから「クラウン史上唯一にして最大の失敗作」と紹介されることが多いものの、「スピンドル・シェイプ」のスタイリングは、「クジラ」の愛称とともに、現在でも根強い人気を持つ。 この代からは、セダン・ハードトップの両方に「スーパーサルーン」が最上級グレードとして新たに設定された。その他は先代を引き継ぎ、「スーパーデラックス」「デラックス」(セダン・ハードトップ共通)「オーナーデラックス」(セダンのみ)、「SL」(当初はハードトップのみで、マイナーチェンジ時にセダンにも設定された)「ハードトップ」というグレード構成となった。またバンにも「デラックス」が設定されている。装備面ではオプションとして後輪ESC(現在のABS)・EAT(電子制御式自動変速機)が「SL」に設定されたほか、オートドライブを「SL」「スーパーサルーン」「スーパーデラックス」にオプション設定したこと、VIP顧客向けに電動リクライニング式リアセパレートシート(このオプションを選択した際は、リアシートが3人掛けから2人掛けとなる)が採用されたことが挙げられる。さらに、世界で初めてアイドリングストップ機能が搭載され、EASS(Engine Automatic Stop and Start System)の名でMT車にオプション設定された。また、歴代クラウンでは唯一、ボディーカラー名には「墨花(ぼくか:ブラック)」「白鳳(はくほう:ホワイト)」「荒磯(あらいそ:ブルー)」と、センチュリーと同じように漢字の名称を使用した。 広告などで使用されたカタカナ表記の『クラウン』ロゴは、この代から8代目のS13#型まで同じ書体を使用していた。また、14代目(2018年生産終了)まで使用されて来たCピラーのクラウンエンブレムが最初に登場した世代でもある。 テレビドラマ『素敵な選TAXI』では、本形式のマイナーチェンジ後のセダンが『選TAXI』に起用されている。 1971年2月16日 - 発売。キャッチフレーズは「エレガンツ・クラウン 世界が見つめる」。商用車・ステーションワゴンモデルのリアナンバープレートをバンパーに移設。 1971年5月 - 2.6 Lエンジン(4M型)を搭載した「2600スーパーサルーン」が登場し、高級車化に拍車がかかった。クラウン・エイトを除けばシリーズ初の普通車(3ナンバー登録)である。 1972年10月 -「2600スーパーデラックス」「2600デラックス」を追加設定。 1973年2月 - マイナーチェンジ。組み込み式のカラードバンパーがクロームの大型バンパーへ変更される。セダンはテールランプの赤の点灯形式を変更(初期型ではテールランプと独立していたブレーキランプを一体化)。セダンの「SL」、およびハードトップ全車に5速MT車を追加。キャッチフレーズは「こんどのクラウン」。 1974年1月 -「スーパーサルーン」および「SL」にEFI(電子燃料噴射装置)搭載車を追加。 4代目の販売終了前月までの新車登録台数の累計は28万7970台。 ハードトップ 2600スーパーサルーン(1971年型) カスタム(1973年型)
※この「4代目 S6#/7#型(1971年 - 1974年)」の解説は、「トヨタ・クラウン」の解説の一部です。
「4代目 S6#/7#型(1971年 - 1974年)」を含む「トヨタ・クラウン」の記事については、「トヨタ・クラウン」の概要を参照ください。
- 4代目 S6#/7#型のページへのリンク