1970年-1981年、ハロルド・プリンスとのコラボレーション
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「スティーヴン・ソンドハイム」の記事における「1970年-1981年、ハロルド・プリンスとのコラボレーション」の解説
『ワルツが聞こえる?』の後、ソンドハイムは様々なミュージカルの作曲および作詞を行なった。1970年のコンセプト・ミュージカル『カンパニー』から1981年まで、プロデューサーで演出家のハロルド・プリンスと6作品でコラボレートした。ジョージ・ワースの『カンパニー』の脚本には確固たるあらすじはなく、登場人物とテーマが設定されたのみであった。1970年4月26日、アルヴィン・シアターで開幕し、7回のプレビュー公演の後、本公演が705回上演された。トニー賞においてミュージカル作品賞、楽曲賞、作詞賞を受賞した。2006年にブロードウェイで再演された。 1971年4月4日、ウィンター・ガーデン・シアターにてゴールドマン脚本の『フォリーズ』が開幕し、12回のプレビュー公演の後、本公演が522回上演された。倒壊が決まったブロードウェイの劇場でのワイズマンズ・フォリーズの再会を中心にしている。ワイズマンズ・フォ リーズは第一次世界大戦および第二次世界大戦の頃に上演されていたジーグフェルド・フォリーズを基にしたミュージカル・レヴューである。バディとサリー、ベンジャミンとフィリスの2組の夫妻に焦点を当てている。2001年と2011年にブロードウェイで再演された。 1973年、イングマール・ベルイマン監督および脚本の映画『夏の夜は三たび微笑む』を基にし、主に三拍子の曲を使用した『リトル・ナイト・ミュージック(英語版)』がソンドハイムの成功作の1つとなった。『タイム』誌は「これまでのソンドハイムの作品の中でもっとも素晴らしい作品」と記した。使用楽曲『Send in the Clowns 』はジュディ・コリンズがカバーしヒットした。1973年2月25日、ブロードウェイのシュバート・シアターで開幕し、12回のプレビュー公演の後、本公演が601回上演され、1974年8月3日に閉幕した。1973年9月13日、マジェスティック・シアターに移行し、閉幕まで上演された。2009年、ブロードウェイで再演された。 1975年11月23日、オフ・ブロードウェイにあるウエストサイド・シアターにて『By Bernstein 』が開幕し、40回のプレビュー公演の後、本公演が17回上演された。作詞および作曲はバーンスタインが担当し、追加の歌詞はソンドハイムを含むほかの者が作詞した。ベティ・コムデン、アドルフ・グリーン、ノーマン・L・バーマンが考案および執筆し、マイケル・ボウトゥリーが演出し、ジャック・ビトナー、マージェリー・コウエン、ジム・コーティ、エド・ディクソン、パトリシア・エリオット、カート・ピーターソン、ジェイニー・セルが出演した。『The Exception and the Rule 』から『In There 』、『ウエスト・サイド物語』から『Kids Ain't (Like Everybody Else) 』のソンドハイム作曲の2曲が使用された。 1976年、ジョン・ワイドマン脚本による『太平洋序曲』が上演され、ソンドハイムとプリンスのコラボレーションの中でもっとも異色な作品となった。歌舞伎のスタイルを用いて日本の西洋化を描いている。2004年、ブロードウェイで再演された。 1979年、ソンドハイムの作品でもっともオペラ的な音楽およびリブレットの『スウィーニー・トッド』が上演された。『リトル・ナイト・ミュージック』、『太平洋序曲』と同様、オペラ・ハウスで上演されている。復讐殺人およびカニバリズムという珍しいトピックが取り上げられている。ヴィクトリア朝の作品を1973年にクリストファー・ボンドが舞台化したものを基に、ヒュー・ウィーラーが脚本を執筆した。1989年および2005年にブロードウェイで再演され、ミュージカル劇場やオペラ・ハウスで上演されている。 1981年、ジョージ・ファース脚本の『Merrily We Roll Along 』が上演され、ソンドハイムにとってもっとも従来型の音楽となった。使用楽曲をフランク・シナトラやカーリー・サイモンがレコーディングした。音楽監督のポール・ゲミナニは、ソンドハイムは「ものすごく多才」と語った。16回の上演のみで閉幕したが、使用楽曲は繰り返しレコーディングされている。批評家のマーティン・ゴトフライドは「ソンドハイムは従来型の音楽を作曲したが、通常の音楽とは違った」と記した。オリジナル・プロダクション以降、ソンドハイムとファースは改訂を加えた。のちにソンドハイムは「ブロードウェイのコミュニティがハル(プリンス)と私が失敗することを望んでいたことに驚いた」と語った。
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