鳥類の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 14:23 UTC 版)
鳥が相手の場合、人は鯉に餌やりを行う感覚で餌を気軽にやってしまう傾向が強い。日常レベルでも鳩に餌を撒いたり、池のカモに餌を撒いたりという風景がごく普通に見られる。これらが餌付けかどうかは議論が分かれるかもしれないが、他の動物に対してはまず見られない景色である。 一部では餌付けと給餌を区別する議論もある。ボランティアや一部の環境団体、観光目的の地元団体が掲げるには、餌付けは動物を寄せて楽しむ行為であり、それに対して給餌は動物の保護を目的とするものであり、自然保護の一環であるとする。しかし、その例とされる出水ツル渡来地の状況を見ても、その餌量は膨大であり、それが人為的影響を大きく与えないような配慮とは考え難い[要出典]。いずれにしても、渡り鳥が係留する湖沼のCOD・BODは餌の食べ残しや糞でその許容量を超え、湖沼の水質汚染の原因にもなっている。近年温暖化も加えて渡り鳥の繁殖量が増加し、このような問題が表面化してきている。なお、冬場の田畑に渡り鳥が係留する場合は籾や害虫、水路の藻を食べてくれる、糞が落ち田畑の窒素元になってくれるなどの益鳥の面もある。このことからも、餌付けによって渡り鳥を呼び寄せるのではなく、元から田畑にあるに自然物による利用など里山の環境保全によって渡り鳥を呼び寄せるほうがはるかに環境負荷も少なく適材適所に問題点も解決できる。 さらに、問題をややこしくしたのが鳥インフルエンザであった。遠距離を移動する渡り鳥が病原体の移動にかかわる可能性から、2007年、あちこちの自治体で渡り鳥の餌付けを中止、あるいはそれを行う団体への中止申し入れなどがあった。このことで餌付けの是非が議論されたが、それは餌付けそのもののあり方を問題としたものではなかった。このように鳥類の餌付けは環境汚染の一因ともなっていることから、環境保護とはかけ離れている現状がある。[独自研究?] 他、餌やりによってハトなどの糞害に悩まされるようになり、注意したところ、逆に餌やりがエスカレートするようになったとして、裁判沙汰となり、餌やりをエスカレートさせたことが、注意した住民に対する嫌がらせと認定され、一定範囲での餌やりの差し止めと、慰謝料が認定されたケースがある。
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