飛行4日目(宇宙遊泳1)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 04:47 UTC 版)
「STS-61」の記事における「飛行4日目(宇宙遊泳1)」の解説
ストーリー・マスグレイブとジェフリー・ホフマンは、22:46(EST)にカーゴベイに入り、計画より約1時間早く最初の宇宙遊泳を開始した。ホフマンはロボットアームの先端に足拘束具を設置し、足を固定した。ニコリエはシャトル内でロボットアームを操作し、ホフマンを望遠鏡の周りに異動させた。その間、マスグレイブは、望遠鏡の後方の低利得アンテナに保護カバーをかぶせた。その後、2人は、ハッブル宇宙望遠鏡のエクイップメントベイドアを開け、内部にもう1つの足拘束具を設置した。マスグレイブに支援されたホフマンは、足を固定して2組の速度センサユニットを交換した。これらのユニットにはジャイロスコープが内蔵されており、望遠鏡が正しい方向を維持するのを助けている。12:24(EST)までに、ホフマンは2つのユニットの交換を完了した。2人はその後、約50分かけて2度目の宇宙遊泳の準備を行い、また速度センサユニットを制御する1対の電子制御ユニットを交換した。また彼らは、望遠鏡の電子回路を保護する8つのヒューズプラグも交換した。 2つの新しいジャイロを設置した後で4つのうち2つのジャイロドアのボルトが締められず、2人はジャイロドアのラッチに苦しめられた。状況を評価した専門家は、ドアが開いた時に、温度変化によりボルトが伸縮し、再び締められなくなる可能性があると推測した。 ペイロードベイ内の宇宙飛行士や地上職員の支援も得て、ドアの上部と下部で同時に行われた2度の宇宙遊泳により、最終的に4つ全てのボルトが締められ、ラッチが閉じられた。マスグレイブは、自身をドアの下部に固定し、ドアに対して力を及ぼせるようになった。ロボットアームに固定されたホフマンは、ドアの上部で作業を行った。2人は上部と下部のラッチを同時に閉じることに成功した。 また、宇宙遊泳により、2度目の宇宙遊泳で2つの太陽電池アレイの交換を行うトーマス・エイカーズとキャスリン・C・ソーントンのため、ペイロードベイのセットアップが行われた。この宇宙遊泳で、マスグレイブとホフマンには、カーゴベイ前方にある太陽電池アレイの運搬装置の準備と足拘束具の設置が期待されていた。 マスグレイブとホフマンの宇宙遊泳は、当時のアメリカ航空宇宙局の歴史上2番目に長い7時間50分続いた。最も長い宇宙遊泳は、1992年5月にエンデバーの処女飛行であるSTS-49でリチャード・ヒーブ、ピア・ツート、トーマス・エイカーズが行ったものである。これ以降は、いくつかの宇宙遊泳でこの記録を更新している。 端からパネル1枚半分にも及ぶアレイのねじれにも関わらず、ハッブル宇宙望遠鏡のプログラムマネージャーによるレビューの後、管制員は飛行前に立てた計画を継続し、最初の宇宙遊泳で太陽電池アレイを巻いて格納することを試みることを決定した。 太陽電池アレイの格納は、1段階目で太陽電池アレイを巻き、2段階目でそれを望遠鏡に向けて折り畳むという順序で行われた。それぞれのアレイは、長さ12m幅2.5mの太陽電池パネルの翼を支える4本脚のマストに立っている。彼らは、望遠鏡に4.5kWの電力を供給した。
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