類秘抄とは? わかりやすく解説

類秘抄

主名称: 類秘抄
指定番号 2498
枝番 00
指定年月日 1997.06.30(平成9.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書 承久二年二月真書奥書
員数 4巻
時代区分 鎌倉
年代 1220
検索年代
解説文:  『類秘抄』は真言密教勧修寺流開祖として著名な寛信一〇五-一一五三)の撰述になる事相書である。内容は諸経儀軌章疏の文を抄録し、併せて先徳諸口決、口伝図像指図等を集め編纂したのである
 本書高山寺旧蔵本で、田中教忠コレクションのうちとして伝来したのである田中本は『類秘抄』全七巻のうちの「大自在天」以下「五大尊」「十一面」「愛染(水)」の四巻からなり各巻首には高山寺子院方便智院」の方印がある。
 体裁巻子装で、各巻とも見返部分厚手楮紙の旧表紙存し、「類秘抄」と外題墨書する。料紙楮紙打紙(「愛染」巻は素紙)して用い、うち「大自在天」巻には建保七年一二一九具注暦紙背利用する本文筆跡は「十一面」巻本文と「愛染」巻は筆を異にするが、「大自在天」「五大尊」の両巻と「十一面」巻の図像奥書部分同筆で、ともに暢達した筆致書写されている。「愛染」巻を除き文中朱墨仮名ヲコト点東大寺三論宗点)、声点注記等を付している。奥書は「愛染」巻以外の三巻にみえ、「大自在天」巻の「本云、仁平四年五月十七日、於勧修寺西明住房、以故法印御房自筆草案本冩了、智海」の本奥書および「承久二年二月十五日書之、定真」の書写奥書以下によって、仁平四年(一一五四)に智海(興然)が故寛信自筆草稿本を写した本を、承久二年(一二二〇二月明恵高弁高弟定真が書写したものであることが判明する
 田中本『類秘抄』の特徴は、同じく真筆になる高山寺蔵本にはみえない図像類があることで、「大自在天」巻には四天王像五図、「十一面」巻には観音図像八図が収められている。前者図像は、東寺講堂金堂小栗栖薬師堂勧修寺本堂御影堂の各像で、なかでも小栗栖薬師堂像以下の三像は他の図像集にはあまりみられないものとして注目される。とくに勧修寺御影堂図に続く四天頭部のみの図像は、おそらく智海本を忠実に臨写したもの考えられ仁平年間の姿をそのまま伝えた図像として価値が高い。後者図像は、『覚禅抄巻第四十四十一面」に引用されている原本相当し、『類秘抄』と『覚禅抄』との密接な関係を伝えている。またこれらの図像類は、『覚禅抄』等に比較すると、装飾性排したより原本近似する特徴示し、『覚禅抄』等に先行する平安時代院政期図像併せ伝えた古写本として、密教図像研究上にも注目される
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