顕注密勘とは? わかりやすく解説

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顕注密勘〈春部/〉

主名称: 顕注密勘〈春部/〉
指定番号 2481
枝番 00
指定年月日 1993.06.10(平成5.06.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 1巻
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  『顕注密勘』(三巻)は、藤原定家の撰した『古今和歌集』の注釈書で、顕昭による『古今集註』に対して定家自らの説を付注したものである。書名の由来は、顕昭の「顕注」に定家が「密勘」を加えたことに因んだもので、「古今秘注抄」などともいい、承久三年一二二一)に附勘を終えている。
 本巻は、もと袋綴冊子本で、現状巻子改装され巻首に原表紙存し「顕注密勘上」と外題がある。本文料紙文書料紙翻して天三、地単の横墨界施して用い、首に「古今秘注抄第一 春上」と内題があり、本文は、もとの冊子の半葉一三~一五行に、天の界線の上段より『古今集』の歌を一首一行書に掲げ、ついで顕昭の注を二段目から、定家の附勘をさらに一段下げて書き、附勘にはまま拘点が付されている。本文流麗な筆致一筆書写され、天の欄外には「同清輔朝臣奥義集」「同奥義」などの注記顕昭の所引歌に「拾遺」「後撰」などの集付がある。本書は『古今集』の巻第一、春の部のみを存し所収歌は三三首で、他の諸本収める「かすみたち」云々一首を欠くが、その箇所切断の跡があり、前後料紙寸法不揃いであるので、この部分古筆切として切り取られたと考えられる奥書等はなく、また紙背文書は相剥と裏付のため判読できず、書写経緯知られないが、その筆跡から鎌倉時代中期書写になるものと考えられる
 『顕注密勘』は、顕昭定家、すなわち六条家御子左家の家説をあわせ伝えた古今集』の代表的注釈書として広く流布し後世注釈書等で顕昭の説として引くのが本書からの引用である場合少なくない写本多数伝わっているが、鎌倉時代遡るものは本巻唯一考えられ本巻は『古今集巻第一部分のみの巻ではあるが和歌文学史研究上に価値が高い。
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