巻第四
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/26 14:02 UTC 版)
4-1 4-2 4-3 4-4 4-5 4-1(第二十七 手負蛇)手負蛇(ておいへび) 「蛇を半(なかば)殺して捨置(すておき)しかば其夜来(きた)りて仇(あだ)をなさんとせしかども蚊帳(かちやう)をたれたりしかば入(いる)事を得ず翌日蚊帳(かや)の廻り紅(くれなゐ)の血しほしただりたるがあのづから文字のかたちをなしてあだむくひてんとぞ書(かき)たり」(蛇を半殺しにして捨て置いておいていたらその日の夜にやって来て復讐にやって来た、しかし寝室には蚊帳がつられていたので蛇は入って行くことが出来なかった。翌日蚊帳のまわりには赤い血がしたたり落ちており、それが文字のようなかたちになっていた。「仇を報いてやる」と書かれていた) 4-2(第二十八 五位の光)五位のひかり(ごいのひかり) 「此(この)鷺(さぎ)五位のくらゐをさづかりし故にや夜は光りありてあたりを照せり」(この鷺(ゴイサギ)は、五位の位を授かっているからだろうか、夜になると光って辺りを照らすのだ) 4-3(第二十九 累)かさね 「かさねが死霊(しりやう)のことは世の人のしるところ也」(累という死霊の話は、世の中の誰もが知っているものだよね) 4-4(第三十 於菊虫)お菊むし(おきくむし) 「皿屋敷のことは犬うつ童(わらべ)だも知れればここにいはず」(皿屋敷のことは、犬を叩いて追いかけまわすような子供でも知っているから、ここでは語らない) 4-5(第三十一 野鉄炮)野鉄ぽう(のでっぽう) 「北国(ほつこく)の深山(しんざん)に居る獣なり人を見かけ蝙蝠(かふほり)のごとき物を吹出(ふきいだ)し目口をふさぎて息を止(とど)め人をとり食(くら)ふとなり」(北国の深い山奥にいるという獣で、人を見かけるとコウモリのようなものを吹き出して来てそれで人の目や口をふさいで呼吸を止めてしまい、その人を取って食ってしまうのである) 4-6 4-7 4-8 4-9 4-6(第三十二 天火)天火(てんか) 「またぶらり火(び)といふ地より三十間余は魔道(まだう)にてさまざまの悪鬼(あくき)ありてわざわひをなせり」(ぶらり火ともいう。地上から30間〈約55メートル〉あまりは魔道で、様々な悪鬼が棲んでいて災いをもたらすのだ) 4-7(第三十三 野狐)野ぎつね(野狐) 「きつねの挑灯(ちやうちん)の火をとり臘燭(らうそく)を食(くら)ふこと今もままある事になん」(狐が提灯の明かりをとって蝋燭を食べてしまうことは今もよくあることである) 4-8(第三十四 鬼熊)鬼熊(おにくま) 本文には木曽で年をへた熊を「おにくま」と呼ぶといったことが記されている。牛や馬を食べてしまったり、猿をてのひらで軽く押しつぶしてしまったりするという。力が強く、鬼熊が動かしたという鬼熊石と呼ばれる岩は10人もの人間をもってしても動かすことは出来ないといったことも載せられている。 4-9(第三十五 かみなり)神なり(かみなり) 本文には下野の国の雷獣のこと、それを狩りとることが「かみなり狩り」と称されていたことが記されている。
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