類似の用語・用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/05 05:35 UTC 版)
「ランドスケープ・プランニング」の記事における「類似の用語・用法」の解説
類似の用語・用法に造園計画があり、『造園用語辞典』(東京農業大学造園科学科編、彰国社、1985/1996 ISBN 978-4395100057)によると、この語の英語表記は (landscape planning) ではある。 一方で、ある土地空間のランドスケープ計画の意味で景観計画という言葉が、景観法で景観計画という計画制度が設置される以前にも、使用されてきた。 『造園用語辞典』で鈴木忠義はこの景観計画を、広大な自然景観、田園景観、都市景観、地区景観、公園の景観など、庭園の観念からはずれた空間の景観について、美的な評価を導入し、計画することとしており、そういった空間の最後の美しい景観を作るための計画であり、空間的トータルの観念としている。 それゆえに、景観は、将来予測を必要としている、としている。鈴木は、人間を主体として物や物の集合する空間が用・強・美の三位一体を持って評価され、用は機能であり、今日は合理的で安定・成長であり、美は美しいことで、人間の価値意識は用→強→美の順序で変化し、縄文土器ですらこの三位一体が認められるとしている。その上で、景観では、空間が空間におけるものの集合で成立するゆえに単体における用・強・美の追求を、その集合である「景観」にそのまま適応するかどうかはいえないとしている。 景観の構造は成立している視点、対象、そのつなぎ、対象の背景という、4つの要素で成り立っており、視点は、三次元の空間で移動する他、垂直軸および水平軸で回転し、対象は、巨大な自然から、焦点ともなる小人工物まであり、つなぎはまったく視線を遮断してしまうとゼロになる一方、視点と対象を直結することもあり、背景は、単純化により対象を浮かび上がらせたり、調和させたり、埋没させることまであることから、各要素の操作範囲はゼロから無限大まであるとし、景観の要素は自然の営力によっても変化するとみられている。 鈴木はさらに結果として、景観をどのように育成していくかの目標を定めるための評価がなされなければならず、その後に操作活動をも計画することが必要となるとした。 なお、景観の分析と評価は、数量化理論や計量心理学の応用により著しく進歩し、さらに、上記4つの要素を操作する技術も拡大し自由度は向上してきているため、景観計画の研究では、景観評価と計画目標の設定が中心となっていると述べられている。 『造園ハンドブック』(日本造園学会・編 技報堂出版、1978)で池原謙一郎は、景観計画とは「人間を取巻く多様な環境における視覚面における計画で、自然景観や人工景観の美しさ、またその両者の美しい調和を求めようとするもの」としている。これを視覚的側面からアプローチする空間の演出、それが景観計画であり、ランドスケープ・デザインの本質的部分に相当しているが、景観を地域的概念としてとらえた場合、景観計画自体も地域計画の一翼を担う内容をもち、これは「全体空間系」に属する計画分野となるので、視覚的デザインの意味に限定して解説を進めると、景観の構成には、人間の視点の移動を前提とするダイナミック(動的)な構成と、視点が静止の状態におけるスタテック(静的)な構成とがあり得るとしている。
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