電気製鉄の企画とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 電気製鉄の企画の意味・解説 

電気製鉄の企画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 23:35 UTC 版)

木曽電気製鉄」の記事における「電気製鉄の企画」の解説

1901年明治34年)に官営八幡製鉄所操業開始したことにより本格化した日本鉄鋼業日露戦争期に発展をみせたが、民間製鉄所釜石鉱山田中製鉄所など数か所、生産高国内生産高の4分の1程度占めるのみで、官営製鉄所主導であった。しかし1914年大正3年)に第一次世界大戦勃発すると、鋼材需要激増触発され民間鉄鋼業相次いで勃興し1914年から1919年大正8年)までの5年間に20近い民間製鉄所操業開始する。そして銑鉄生産高1913年大正2年)の24トンから1919年には3倍増78トンへと伸長し同時に民間工場生産高国内生産高のうち64%を占めるまでになった鉄鋼業伸長したこの時期、スウェーデン・ノルウェー・アメリカ合衆国など欧米において実用化されつつあった製鉄法(製銑法)が「電気製鉄」(電気製銑であった電気製鉄とは、鉄鉱石還元して銑鉄取り出す際に電気炉用い方法である。一般的に行われていた高炉溶鉱炉)による製鉄法では、鉱石加熱コークスないし木炭使用するが、電気製鉄ではこれを電力による加熱代える還元必要な炭素供給するため電気製鉄でもコークスないし木炭は必要であるが、加熱使用しない分高炉法に比べて使用量を1/3に圧縮できる。他にも電気製鉄法は高炉法比して鉱石大小問わないコークス木炭使用量が少ないため銑鉄中の不純物少ない、操業が容易、建設費最大1/2程度と安い、といったメリットがあった。ただ前提として電力廉価である必要があった。この新規事業である電気製鉄を、名古屋電灯1917年大正6年)より日本初め導入する電気製鉄先立って名古屋電灯では電気炉によるフェロアロイ合金鉄)の製造事業取り組んでいた。明治末期長良川八百津発電所建設して抱えていた余剰電力のうち5,000キロワット消化策としてフェロアロイ製造乗り出し社内設置していた製鋼部を分離して1916年大正5年8月株式会社電気製鋼所設立していたのである大戦契機鉄鋼業発達するにつれてフェロアロイ需要伸長、それに呼応して各地でフェロアロイメーカーの設立相次ぐ最中であり、電気製鋼所開業早々1割の配当をなすなど好業績挙げるという滑り出しであった電気製鉄実用化電気製鋼所の好スタート触発されたためでもあったが、木曽川水利権問題背景にあった名古屋電灯1916年申請した木曽川筋4地点水利権のうち、1917年3月3日付で許可されたのが賤母発電所1万2,600キロワット)だけであったのは、この時点ではまだ他の3地点大桑第一大桑第二読書出力5万8,300キロワット)の出力見合う供給先提示できていないためであった当時逓信省水利権転売を防ぐ目的起業確実性確認した上で許可を出す方針としていたため、名古屋方面での需要見合う賤母発電所のみ許可されのである余剰分については、名古屋電灯1915年9月木曽川全体水力開発計画立案した際には関西方面へと送電する予定で、実際に関西電力会社大阪電灯宇治川電気との間で電力需給契約の締結目指していたが、交渉まとまっていなかった。大阪送電計画具体化しない中で、水利権獲得目指す名古屋電灯着目したのが電気製鉄であった名古屋電灯顧問寒川恒貞が電気製鉄の企画をまとめ、賤母発電所許可直後1917年3月31日早くも電気製鉄盛り込んだ起業目論見書逓信省申請した寒川によれば折から鉄鋼不足と国外で実用化始まっていたことを踏まえて企画であったという。申請中の発電所3か所の出力5万8,300キロワットのうち4キロワット電気製鉄にあて、残り賤母発電所あわせて名古屋方面送電する、という構想であった製鉄事業推奨されていた時局柄、電気製鉄事業目的加えることで、1917年9月残り3地点水利権獲得成功した

※この「電気製鉄の企画」の解説は、「木曽電気製鉄」の解説の一部です。
「電気製鉄の企画」を含む「木曽電気製鉄」の記事については、「木曽電気製鉄」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「電気製鉄の企画」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「電気製鉄の企画」の関連用語

電気製鉄の企画のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



電気製鉄の企画のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの木曽電気製鉄 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS