銑鉄
製銑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 07:26 UTC 版)
鉄鉱石から鉄を取り出す工程のことを製銑(せいせん:製鉄ではない。銑鉄(せんてつ)をつくること)と呼ぶ。日本では高炉と呼ばれる、製鉄所のシンボルとも言える巨大な溶鉱炉を用いている。大型高炉の場合、最上部までの高さは100メートルを超え、現在では[いつ?]内部容積が5000立方メートルを超える超大型の高炉も珍しくない。処理された原料は、ベルトコンベアで高炉上部に輸送され、そこから順次高炉の中に装入される。高炉の壁面下部からは1,000℃を超える熱風が大量に供給されている。炉の内部では高温の空気中の酸素とコークス中の炭素が反応して、2,000℃近い温度になる。 この中で、鉄鉱石に含まれる酸素とコークス中の炭素が結合して一酸化炭素となり、還元された鉄は溶解した状態で高炉下部へと流れ落ちてゆく。また、鉄鉱石中の岩石成分は石灰石と反応してスラグ(鉱さい)となって流れ落ちる。高炉下部には溶解した鉄とスラグが雨のように降り注いでいる。 頃合いを見計らって高炉下部に穴を開けると、溶けた鉄とスラグが流れ出してくる。スラグは比重が鉄より軽いので、この時点で容易に分離可能。こうして取り出した鉄は炭素を2〜3パーセント含んでおり、銑鉄 (pig iron) と呼ばれる。多くの製鉄所では、この銑鉄を混銑車(トーピードカー)と呼ぶ特別な形の貨車に流し入れ、液体(溶銑)のまま次の製鋼工場に輸送している。なお、途中で溶銑予備処理(事前の簡単な成分調整)を行うケースが多い。
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