開始の経緯と立ち上げ時
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 14:10 UTC 版)
「はなまるマーケット」の記事における「開始の経緯と立ち上げ時」の解説
1996年春、TBS(現・TBSホールディングス)はオウムビデオ事件での責任を取る形で、ワイドショーの廃止を発表した。当該枠の前番組『モーニングEye』や午後枠『スーパーワイド』を打ち切り、秋改編で芸能・時事問題を扱わない2つの「生活情報番組」、本番組と『素敵なあなた』を開始させた。 本番組開始にあたり、TBSは当時NHKが総合テレビでほぼ同時間帯で放送していた同じ生活情報番組『生活ほっとモーニング』(後述する『あさイチ』の前身番組)を参考にしたという。 総合司会は開始から終了まで一貫して岡江久美子・薬丸裕英が担当。一時期は両者の不仲説も囁かれたが、ともにこれを否定している。 番組当初のプロデューサーを務めた石川眞実によると、番組開始にあたり、会社からは「ワイドショーはやめろ」という指示はなく 「生放送であること」 「行き過ぎた取材をしないこと」 が与えられたルールであったが、そこに 「事件事故などの“発生もの”や芸能ネタをやらないこと」 「日常の幸せを大切に、明るく楽しく暮らせる“生活情報番組”にする」 という道筋を定め、内容のコンセプトを 「病院の待合室でも安心して見られる内容にすること」 「テレビは時代と寝ることは当たり前だが、あだ花のような時代の突出物には飛びつかないこと」 「芸能スキャンダルにはいっさい触れないこと」 と打ち出した。 これまで音楽番組やバラエティ番組を担当してきた石川が朝の新番組を担当するにあたり、総合司会として真っ先に頭に浮かんだのが同局の『天までとどけ』のイメージから岡江だったという。テレビ朝日の喫茶室で石川は岡江にオファーと番組の説明を行い、岡江は快諾したという。 石川は「スタートさせる時、とにかく時間がなかった。『モーニングEye』という前番組の終了決定が5月の連休明けで、『はなまる』は9月スタートですから約4ヶ月しかない。企画書作成、キャスティング、スタッフ確保などに奔走しました。当時管理部門にいた私に後番組の企画・制作の指名があったのですが、今考えても入社以来一番働いた期間だったと思います」とも語っている。 石川は岡江にほとんど指示は出さなかったが、唯一「番組のオープニングで、昨日あったことや最近感じたことを、フリートークで薬丸さんと話してください。時間は短くても長くても構いませんから」と要請したことがあり、この番組冒頭の他愛もない会話が視聴者にウケ、このオープニングトークは後に好評となった。これは、石川と同じく立ち上げ時から構成担当として関わっていた放送作家の高橋秀樹の「司会の人は毎日やってくるが、全く何を話すか考えてこない。何も考えないで仕事に臨む人を僕は信用できない」というワイドショーの司会者に抱いていた不信感から石川に放送作家が台本を書かないという前提で提案したものである。 高橋によるとスタッフ・出演者体制のコンセプトも作られたという。出演者のコンセプトとしては 「出演者は岡江久美子より全員年下であること」 「曜日レギュラーはすべて子ども・夫もいる女性であること」 「リポーターという呼称は、ワイドショーを連想させるので使わずアナウンサーと呼ぶこと」 「はなまるアナは地方局でアナウンサー経験のあるものに限ること」 「はなまるアナはディレクターが調べたことをただ伝えるのではなく、自らもスタッフの一員になって情報を調べクルーのなかで当該情報に最も詳しい出演者になるように努めること」 という5つが掲げられた。 一方、スタッフは 「内容の責任者となる第2プロデューサーより年上の社員スタッフは入れないこと」 「女性スタッフの比率を3割以上にすること」 「それぞれのプロデューサーは分業ではなく、分担制とし、ほかの分担の否定的な意見は慎むこと」 という3つが掲げられた。前者の「アナウンサー」という呼称に関しては、TBSの社員ではない外部プロダクションのフリーアナウンサーも出演するため、アナウンスセンターから異議が出て、「はなまるアナ」という呼称に落ち着いた。「はなまるアナ」が取材の調査なども行う理由として、石川は開始前の打ち合わせで高橋から「ワイドショーっぽいっていうのはどういうことですか」と質問され、「リポーターがいること」「リポーターは何も知らないのに、ディレクターの操り人形になっていること」と答えている。 番組開始当時「半年間の“つなぎ”だから」とスタッフに言われたと番組10周年の記者会見で薬丸 が語っていたが、結果的に1990年代後半以降開始のTBS平日帯番組の中では18年も続いた唯一の長寿番組となった。
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