量子系とは? わかりやすく解説

系 (自然科学)

(量子系 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/17 20:58 UTC 版)

自然科学における(けい、英語: system)とは、自然界のうちで考察の対象として注目している部分をいう[1][2]。分野や考察の内容に応じて力学系生態系太陽系、実験系などというように用いられる。考察の対象とされない部分は外界英語版として区別される。これは外界が系に比べて非常に大きく、外界が系に影響を及ぼして系の状態の変化を引き起こすことがあっても、系が外界に及ぼす影響は無視できるとする仮定の下に考察の対象から外される。外界の状態は、常に一定であるとしたり、単純な変化をしたりと、考察の前提として仮定される。また、観測者は外界にいるものとして通常は考察の対象とされない。


注釈

  1. ^ 相対論的な質量のエネルギーへの転換は考えない場合に限る。
  2. ^ 生物の場合、熱力学的に見ると全て開放系に属しており、ホメオスタシスや運動の自律性をはじめとした生物の基本特性のうちの幾つかは、これを基礎としている[4]

出典

  1. ^ Peter Atkins; Julio de Paula 著、千原秀昭, 稲葉章 訳 『アトキンス物理化学要論』(4版)東京化学同人、2007年、37頁。ISBN 978-4-8079-0649-9 
  2. ^ 土井勝 『物理学入門』日科技連、2005年、46頁。ISBN 4-8171-9068-X 
  3. ^ 清水明 『新版 量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために―』サイエンス社、2004年。ISBN 4-7819-1062-9 
  4. ^ 生物学辞典(岩波書店


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量子系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 14:29 UTC 版)

分配関数」の記事における「量子系」の解説

量子系においては、系の状態はヒルベルト空間上の状態ベクトル | ψ ⟩ {\displaystyle \vert \psi \rangle } で表される。ある状態における物理量量子論的な演算子与えられ、特にエネルギーハミルトン演算子 H ^ {\displaystyle {\hat {\mathcal {H}}}} で与えられる。したがって分配関数は Z ( β ) = ∑ ψ ⟨ ψ | exp ⁡ { − β H ^ } | ψ ⟩ {\displaystyle Z(\beta )=\sum _{\psi }\langle \psi \vert \exp\{-\beta {\hat {\mathcal {H}}}\}\vert \psi \rangle } となる。状態ベクトルパラメータ n で指定される正規直交完全系 | n ⟩ {\displaystyle \vert n\rangle } により | ψ ⟩ = ∑ n c n | n ⟩ ,   ⟨ ψ | = ∑ n c ¯ n ⟨ n | {\displaystyle \vert \psi \rangle =\sum _{n}c_{n}\vert n\rangle ,~\langle \psi \vert =\sum _{n}{\bar {c}}_{n}\langle n\vert } と展開される状態ベクトル対する和は展開係数に関する積分置き換えられるので Z ( β ) = ∏ l ∫ d c l d c ¯ l ∑ m , n c n c ¯ m ⟨ m | exp ⁡ { − β H ^ } | n ⟩ = ∑ m , n ∏ l ∫ d c l d c ¯ l c n c ¯ m ⟨ m | exp ⁡ { − β H ^ } | n ⟩ = C ∑ m , n δ m , n ⟨ m | exp ⁡ { − β H ^ } | n ⟩ = C ∑ n ⟨ n | exp ⁡ { − β H ^ } | n ⟩ {\displaystyle {\begin{aligned}Z(\beta )&=\prod _{l}\int dc_{l}d{\bar {c}}_{l}\sum _{m,n}c_{n}{\bar {c}}_{m}\langle m\vert \exp\{-\beta {\hat {\mathcal {H}}}\}\vert n\rangle \\&=\sum _{m,n}\prod _{l}\int dc_{l}d{\bar {c}}_{l}c_{n}{\bar {c}}_{m}\langle m\vert \exp\{-\beta {\hat {\mathcal {H}}}\}\vert n\rangle \\&=C\sum _{m,n}\delta _{m,n}\langle m\vert \exp\{-\beta {\hat {\mathcal {H}}}\}\vert n\rangle \\&=C\sum _{n}\langle n\vert \exp\{-\beta {\hat {\mathcal {H}}}\}\vert n\rangle \\\end{aligned}}} となる。分配関数大きさそのものには意味がないので係数 C を除くことができて、最終的には Z ( β ) = ∑ n ⟨ n | exp ⁡ { − β H ^ } | n ⟩ {\displaystyle Z(\beta )=\sum _{n}\langle n\vert \exp\{-\beta {\hat {\mathcal {H}}}\}\vert n\rangle } となる。トレース用いれば Z ( β ) = t r [ exp ⁡ { − β H ^ } ] {\displaystyle Z(\beta )=\mathrm {tr} [\exp\{-\beta {\hat {\mathcal {H}}}\}]} と表現できる。 量子系では通常ハミルトン演算子対角化するエネルギー固有状態用いて表現されるエネルギー量子数 i と対応するエネルギー固有値 Ei により Z ( β ) = ∑ i e − β E i {\displaystyle Z(\beta )=\sum _{i}\mathrm {e} ^{-\beta E_{i}}} となる。ここで ∑i は全てのエネルギー固有状態についての和であり、縮退などがある場合には注意要する

※この「量子系」の解説は、「分配関数」の解説の一部です。
「量子系」を含む「分配関数」の記事については、「分配関数」の概要を参照ください。

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