野球との代表的な相違点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 04:57 UTC 版)
「ソフトボール」の記事における「野球との代表的な相違点」の解説
投手板はあるが、マウンドはなく、ピッチャーズサークル内も他のグラウンドと同じく平坦である。 フィールドの形状は四分円が原則とされる。そのため、本塁から外野フェンスまでの距離はどこをとっても均一となる。また、芝は通常外野のみに敷かれ、内野部分は土のグラウンドが一般的である。 塁間は60.00フィート (18.29 m)で、野球の3分の2の距離である。また外野フェンスまでの最低距離も女子220.00フィート (67.06 m)、男子250.00フィート (76.20 m)と短めになっている。 一塁ベースはダブルベース(白色ベースとオレンジ色のベースがくっついたものであり、両方とも同じ大きさ)を用いる。このダブルベースの置き方は、白色ベースが内側、オレンジ色のベースが外側で、一塁線をまたぐように置く。基本的に野手は白色、打者走者はオレンジ色のベースを使用する(ただし、走者は白色ベースを使用しなければならない)。打者が打撃後、一塁で最初のプレイが行われる場合、打者走者は一塁上のクロスプレーによる野手との接触を避けるため、ファウルラインの外側に設けられたオレンジ色のベースを踏む。一塁を通過して次の塁に進塁する場合などは白色ベースを使用してもよい。 投球は、ウインドミルやスリングショット、エイトフィギュアのいずれかの下手投げで行う。この際、肘と手首が体側を通過しなければならない。腕の回転は2回以上回転させるとイリーガルピッチ(不正投球)となる。 イリーガルピッチを行うと、打者には1ボール、走者がいる場合は1つの安全進塁権が与えられる。野球におけるボークに相当するが打者のボールカウントの変化の有無が異なる。 球種にも野球と異なる点があり、ライズボールという下から浮き上がる変化球がある。また、反対に落ちるボールはドロップボールと呼ばれる。基本的にソフトボールの投球にはストレートという球種はなく、ライズ系のファストボール、ドロップ系のファストボールといった具合に呼ばれている。 野球のボールデッド、インプレイに加えて、ディレードデッドボールという一種のアドバンテージルールがある。 ピッチャーが打者への投球でボールをリリースする瞬間より前に離塁をするとその走者はアウトとなり、その時の投球以降のプレーはすべて無効となる。基本的に投手がピッチャーズサークル(投手板の中心を基準にして半径2.44mの円)内に球を持って入っている場合は走者は離塁できない。 イニングは7回制で行う。7回の裏終了時点で決着がつかない場合、8回からは無死二塁の状態から始まるタイブレーカーを用いた延長戦を行う。その際二塁走者は前のイニングで最後に打撃を完了した選手が入る(この際、二塁走者に代走を起用しても差し支えない)。 スターティングメンバーのみ、一度交代し試合から退いた後も、もう一回のみ再び同じ打順に復帰することができるリエントリー制度がある。そのため、試合の序盤から代走が起用される事も珍しくない。 日本の女子選手は、ヘッドスライディングを用いることが多い。 NPBのパシフィック・リーグ、MLBのアメリカン・リーグなどで採用されているDH制を発展させた形で、DP(Designated Player 指名選手)というルールがある。打撃を専門に行うDPと、DPの守備だけを代わりに行うFP(Flex Player)(DEFO/DEFence Only)をスターティングメンバーに入れる事ができ、その場合は10名で試合を行うことになる。 DPを使うか使わないかは任意であるが、スターティングメンバーにDPを使わなかった場合、試合途中からDPを使うことはできない。 FP(DEFO)の守備位置に制限はなく、どの守備位置につかせてもよい。 DP・FP(DEFO)の選手にもリエントリー(再出場)が認められる。 DPの選手はいつでもFP(DEFO)の選手の守備も兼ねることが出来る。また、FP(DEFO)の選手はいつでもDPの選手の打撃を兼ねることが出来る。 DPの選手とFP(DEFO)の選手が完全に入れ替わり、DPだった選手が守備のみを、FP(DEFO)だった選手が打撃のみを行うことはできない。 DPはいつでもFP(DEFO)以外の選手の守備も兼務する事が出来る。但し、兼務でのスタートは認められない(プレイボール直後の申告は認められる) DPが守備を兼ねた選手は打撃だけを行う。(この選手を打撃専門選手(OPO/OFFENSIVE PLAYER ONLYと呼ぶ))つまり試合から退く(打順表から抜ける)ことはなく、打順が来れば打席に立つ。 DPがFP(DEFO)の守備を兼務した場合はFP(DEFO)は試合から退き、試合に出場している選手は10人から9人になる。 FP(DEFO)がリエントリー(再出場)する場合は、10人目の守備専門選手に戻る(出場選手は9人から10人)か、DPの打撃を兼ねる(出場選手は9人のまま)かのどちらかとなる。 DEFOという呼称は2006年からISF(国際)ルールではフレックスプレイヤー(Flex Player)と改められた。 日本でも2010年のJSAルール改正でフレックスプレイヤー(Flex Player)と改められた。
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