重慶に「独立王国」を築くとは? わかりやすく解説

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重慶に「独立王国」を築く

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 06:51 UTC 版)

薄熙来」の記事における「重慶に「独立王国」を築く」の解説

2007年10月第17回党大会中央委員再選され党中央政治局委員昇格した同年11月30日には重慶市委員会書記任命される12月29日商務部長を退任し2008年3月には第11期全国人民代表大会重慶市代表に選出される。 薄が赴任した重慶市は、1997年に「西部開発拠点」とするため4番目の直轄市格上げされ都市であったしかしながら、薄が赴任するまでの10年間は外資投資進展しなかった。2003年までの投資総額は5億ドル届かず2003年から2007年合計もわずか10億ドルだった。ところが、薄が赴任し外資導入着手すると、2008年外資投資額は対前年比170%増の27ドルとなり、翌年には39ドル達成した。薄は外資導入によって年16%を超える高度経済成長をつくり上げる一方で低所得者向けの住宅建造し農村居住環境整え都市農地混在する重慶市特性生かして発展導き重慶庶民発展恩恵実感させた。 その一方で貧富の格差が深刻で、腐敗した役人警察権力者威張り散らし、それに大衆の不満が臨界点達しつつある重慶社会危険な現実的確に把握していた。重慶での政治実績を以て、来る第18回党大会で最高指導部である中央政治局常務委員会入り目論む薄は、低所得者層に未だ根強い毛沢東政治手法をまねて民衆の支持獲得しようとした。「共同富裕」のスローガン掲げて格差是正や平等・公平をアピールし民衆ひきつけた。そして、大衆動員し毛沢東時代革命歌歌わせる政治キャンペーン「唱紅」を展開した。「唱紅」の目的古き良き共産党アピールであったが、これが思わぬ懐古ブーム巻き起こし人々から好評得たまた、2009年6月からは犯罪組織一斉検挙キャンペーンである「打黒」を展開した同年7月より市公安局などを巻き込んだ大規模汚職事件摘発乗り出し事件中心人物である重慶市司法局長(公安局前任副局長)の文強を初めとして1500人以上を摘発。この事件の捜査翌年3月終了した。薄は成果強調したが、「行き過ぎだ」、「個人的な人気取りだ」などと批判された。改革派知識人たちは、「打黒」の過程無罪の者を有罪にしたり、死刑値しない者も処刑したりするなど、法を無視した捜査最大問題があると指摘するが、薄熙来毛沢東文革時に実践したように、法やルールより、大衆からの喝采重視した。薄は「打黒」によって、自らの政敵大衆忌み嫌う腐敗幹部」として徹底的に排除していったが、「打黒」によって地方利益壟断する黒社会地下経済正面からメスを入れたことで、薄が大衆から大喝采浴びたこともまた事実である。 重慶における薄の施政は、中央の幹部にも好意的に評価する声が多かった江沢民派(上海閥)の呉邦国党中央政治局常務委員全人代常務委員長)、李長春党中央政治局常務委員)、賀国強党中央政治局常務委員)や、同じ太子党習近平党中央政治局常務委員・国家副主席)などは、薄の施政重慶モデル称賛した。薄の施政は、行き過ぎた市場経済追求した改革結果、平等・公平という社会主義本質失われた批判し毛沢東時代への郷愁前面出している。これは胡錦濤総書記温家宝総理目指す鄧小平路線進化」と対立するものであった。薄は重慶市党委書記という立場ながら重慶市武装警察だけでなく成都軍区人民解放軍にも影響力を及ぼす形で胡温体制対峙し、重慶独立王国化していった。

※この「重慶に「独立王国」を築く」の解説は、「薄熙来」の解説の一部です。
「重慶に「独立王国」を築く」を含む「薄熙来」の記事については、「薄熙来」の概要を参照ください。

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