重心形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 05:14 UTC 版)
ラグランジュ基底多項式を ℓ ( x ) = ( x − x 0 ) ( x − x 1 ) ⋯ ( x − x k ) ℓ ′ ( x j ) = d ℓ ( x ) d x | x = x j = ∏ i = 0 , i ≠ j k ( x j − x i ) {\displaystyle {\begin{aligned}\ell (x)&=(x-x_{0})(x-x_{1})\cdots (x-x_{k})\\[5pt]\ell '(x_{j})&={\frac {d\ell (x)}{dx}}{\Big |}_{x=x_{j}}=\prod _{i=0,i\neq j}^{k}(x_{j}-x_{i})\end{aligned}}} を用いて、 ℓ j ( x ) = ℓ ( x ) ℓ ′ ( x j ) ( x − x j ) {\textstyle \ell _{j}(x)={\frac {\ell (x)}{\ell '(x_{j})(x-x_{j})}}} と書き直す。これは重心重み付け (barycentric weight) を w j = 1 ℓ ′ ( x j ) {\textstyle w_{j}={\frac {1}{\ell '(x_{j})}}} と定めれば簡潔に ℓ j ( x ) = ℓ ( x ) w j x − x j {\displaystyle \ell _{j}(x)=\ell (x){\frac {w_{j}}{x-x_{j}}}} と書くことができる、これを重心ラグランジュ補間の「第一形」と呼ぶ。 この形の多項式補間を考えることの利点は、補間多項式 L ( x ) = ℓ ( x ) ∑ j = 0 k w j x − x j y j {\textstyle L(x)=\ell (x)\sum _{j=0}^{k}{\frac {w_{j}}{x-x_{j}}}y_{j}} を評価するときに、重み wj が事前に分かっていれば、O(n) で計算できることである(ラグランジュ基底 ℓj(x) を個別に計算するのは O(n2) 掛かる)。もうひとつ重心形補間の利点として、新しい節点 xk+1 の追加も各 wj を ( x j − x k + 1 ) {\textstyle (x_{j}-x_{k+1})} で割って、新しい wj+1 を計算するだけで容易にできる点が挙げられる。 さらに第一形を単純化することもできて、まず定数函数 g(x) ≡ 1 の重心補間 g ( x ) = ℓ ( x ) ∑ j = 0 k w j x − x j {\textstyle g(x)=\ell (x)\sum _{j=0}^{k}{\frac {w_{j}}{x-x_{j}}}} を計算してから L を g で割れば、得られる L ( x ) = ∑ j = 0 k w j x − x j y j ∑ j = 0 k w j x − x j {\displaystyle L(x)={\frac {\sum _{j=0}^{k}{\frac {w_{j}}{x-x_{j}}}y_{j}}{\sum _{j=0}^{k}{\frac {w_{j}}{x-x_{j}}}}}} は与えられた節点における補間性を失わない。この補間多項式を重心補間多項式の「第二形」あるいは「真の形」という。真の重心補間多項式は、L の各節点における評価に際してラグランジュ基底 ℓ を評価しなくてよいという点で有利である。
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