超低床車両 (LRV) の導入と従来車両の廃車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 14:21 UTC 版)
「広島電鉄」の記事における「超低床車両 (LRV) の導入と従来車両の廃車」の解説
1990年(平成2年)に欧州視察を行うなど、路面電車が急速に見直される中で新時代の公共交通機関を目指してLRT化に積極的に取り組んでいる。 軽快電車をさらに進化させた、バリアフリー対応の超低床電車の導入も1990年代から検討され、先行するヨーロッパの主要車両メーカへ日本の気候に合った100%低床車両の可能性を問い合わせていた。3950形増備の前年時点で、アルナ工機・住友金属工業・東洋電機製造で検討したが、日本の国産部品を使って、床高を79cmから75cmにするのが限界で、コストの関係で一旦は国産低床車の導入は断念した。そのことで、先行して実用化していた日本国外のメーカーから輸入する方針に転換。アドトランツ・シーメンス・アルストムなどが検討され、1999年(平成11年)よりドイツシーメンス製のGREEN MOVER5000形を導入した。5000形は完成が遅れ船便で送った場合に、到着時期が政府の補助金給付期限を過ぎてしまうため、大型輸送機(An-124)で空輸。広島空港には鉄道ファンと航空ファンが集まり、マスコミに多く報道された。この車両は、バリアフリー化推進功労者表彰・内閣官房長官賞を受賞している。 その後、日本国外の車両を使うことで、車両を輸入することでの輸送費の増大、部品を輸入することでコストが高く時間がかかること、そして車両構造が日本での運用を考慮していないことなどの問題で、2001年(平成13年)に『U3プロジェクト』を立ち上げ、日本国産の低床車両の開発を開始。2004年(平成16年)より国産初の100%超低床電車Green mover max5100形を導入し、同年12月19日には江波車庫(広島市中区江波)に搬入された。また、既存の車両も出入口に補助ステップ(踏み台)を設置するなど、高齢社会に相応しい公共交通機関を目指している。 それらの超低床車両に入れ替わるように、老朽した自社オリジナルおよび他都市からの移籍車両の廃止が進み、オリジナルの500形・550形、旧神戸の1100形は形式消滅。2000形(自社)は全車両が営業運行を離脱、570形(旧神戸)、600形(旧北九州)、1150形(旧神戸)は残り1両に。これまで事故廃車しか出ていなかった650形(自社、被爆車両)にも2両が運用を離脱し(653号は休車・江波車庫保管、654号は廃車・広島市交通科学館に保存)、世代交代が進むことになった。650形のようにメディアに取り上げられ、引退式典を行う車両は例外的で、ほとんどの車両は置き換えた車両に問題がないことを確認の上で休車・廃車・解体を行っている。 2000年(平成12年)3月に鷹野橋のバリアフリー化を実施。順次、他の電停でも同様の工事を行っている。2003年(平成15年)には、横川駅を改良。それに合わせて、十日市の連絡線を整備し、広電本社前行きとして7号線が復活した。同年には、広島港停留場を新旅客ターミナル完成に合わせて、100m路線延長し、駅を移設した。 582号の1両のみが残る570形 602号の1両のみが残る600形 被爆電車として3両が残る650形 1156号の1両のみが残る1150形 2009年10月17日以降、1編成のみ休車として残る2000形 2006年6月以降、営業運用から離脱して廃車された550形 2003年3月に形式消滅した1100形
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