資金援助方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 17:32 UTC 版)
「バッドバンク」および「ブリッジバンク」も参照 1986年の改正預金保険法で導入された、破綻金融機関での取引(預金・正常債権)やそれに関わる事業を受け皿金融機関へ譲渡させる形式である。 金融庁(旧大蔵省→1998年に金融再生委員会へ委譲)の判断により、破綻した金融機関に対して金融整理管財人を送り込み、救済金融機関(いわゆる受け皿金融機関)を選定し、預金保険コスト範囲内の資金援助や不良債権の買い取りを行う。そして整理回収機構へ不良債権を譲渡させ、健全資産の受け皿金融機関への譲渡を行うことで預金者の保護をはかる形式である。救済金融機関がただちに選定できない場合は承継銀行を設立し、再承継金融機関を選定となる。 承継する金融機関への援助はペイオフコスト内の金額であり、それを越えた分は事業譲渡の契約にもよるが財産の状況によりカットされることがある。2002年の中部銀行の破綻までは金融危機に伴うペイオフ凍結下、もしくは預金保険の支出がペイオフコスト範囲内として処理されたため全額保護されたが、2010年の日本振興銀行の例ではペイオフコスト内の金額に限定された。 営業譲渡にあたっては、金曜日の営業終了後から土日の間にかけて破綻金融機関で名寄せ等の処理を行い、月曜日に譲渡先としての営業を開始する「金月処理(きんげつしょり)」と言うスケジューリングで実施されることが多い。 全額保護が行われない場合、保護されない預金等の債権者への資産の配分は倒産法(主に民事再生法)の枠組で行われる。 保護上限までの預金の払い戻しまでに時間を要する場合、預金保険制度上、普通預金については元本60万円を上限に仮払いを行うことがあり、一週間以内に決定される。なお、ペイオフ解禁前までに破綻した金融機関については「全額保護」となっていたため、この制度に関係無く、普通預金については営業再開後、通常通りキャッシュカードでの払戻が可能であった。 定期預金主体の日本振興銀行破綻に際しては個別対応が執られた(当該項目参照)。 資金援助方式による受け皿銀行への資金援助(贈与)は、架空預金事件で経営が困難となった東洋信用金庫を三和銀行が救済合併させる際に200億円を贈与したのが初例で、次いで以後主流となる営業譲渡方式による資金援助は釜石信用金庫の破綻処理で岩手銀行等へ行った260億円の贈与が初である。これ以前で預金保険制度上の破綻金融機関1号となっている東邦相互銀行は贈与ではなく伊予銀行に低利融資(貸付)を行い法人ごと救済合併させた。
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資金援助方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/09/06 08:51 UTC 版)
「農水産業協同組合貯金保険機構」の記事における「資金援助方式」の解説
破綻した農協等を救済合併する農協等に対してペイオフ相当の額の資金援助を行う方式である。 債務超過と認める場合 貯金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合 貯金等の払戻しを停止した場合 農水産業協同組合からの申出を受けて債務超過が生ずるおそれがあると認める場合 のいずれかでありかつ 当該農水産業協同組合の業務の運営が著しく不適切であること 当該農水産業協同組合について、合併等が行われることなく、その業務の全部の廃止 または解散が行われる場合には、当該農水産業協同組合が業務を行っている地域または分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること のいずれかの条件がある場合管理人(預金保険制度の場合の金融整理管財人相当)が選任される。その後民事再生手続を申し立て、救済組合への合併、もしくは信用事業の一部譲渡が進められる。そして、その合併もしくは譲渡先に資金援助が行われ、不良資産は整理回収機構もしくは農林系債権回収会社である系統債権管理回収機構に売却される 現状、いわゆるペイオフ解禁後破綻した大原町農協(勝英農業協同組合に付保貯金移転)も含め全て、資金援助とJAバンク支援基金等の援助により貯金は全額保護されている。
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