講演の背景・概要とは? わかりやすく解説

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講演の背景・概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:30 UTC 版)

美しい日本の私―その序説」の記事における「講演の背景・概要」の解説

1968年昭和43年12月10日川端康成ストックホルム・コンサートホール行われたノーベル賞授賞式紋付き袴の正装出席し翌々日12日昼2時10分にはスウェーデン・アカデミーにおいて、スーツ姿で受賞記念講演日本語行なった。この『美しい日本の私―その序説』と題され講演では、道元明恵西行良寛一休などの和歌詩句引用されエドワード・G・サイデンステッカーにより同時通訳された。 川端は、ストックホルム出発する前から講演草稿執筆取りかかり、12月3日羽田を発つ時点半分ほど書き上げたが、講演当日12日早朝もまだ執筆中で、宿泊ホテル部屋訪ねた石浜恒夫に、「やっと調子出始めたところですよ」と述べて落ち着きはらっていたという。そのため昼に同時通訳をしなければならないエドワード・G・サイデンステッカー翻訳を短い時間苦心しコペンハーゲン大学出講していた花園大学仏教学者藤吉慈海助言を受けながら事なきを得た川端3日間ほとんど徹夜書き上げ、「作家これぐらい徹夜はできるもんだ」と、その出来満足し上機嫌だったという。 『美しい日本の私―その序説』は、道元などの僧の和歌引用解釈しながら、〈雪月花〉に象徴される日本美の伝統こまやかな美意識万有自在に通う空、無涯無辺無尽蔵の心の宇宙などの世界観ありようが、流麗な文章でとらえている。有無相通じる融道無磁の〈無〉の心が、〈一輪の花は百輪の花よりも花やかさを思はせる〉という美の秘密成立させている趣旨に、スウェーデン・アカデミー聴衆は深い感銘受けた文章内に川端付けた小見出しはないが、朝日新聞では紙面講演録を記載するにあたり、「雪月花に美の感動」、「『無』は心の宇宙」、「美の糧『源氏物語』」というおおまかな三段階の小見出し付けている。 なお、『美しい日本の私―その序説』の延長線上に位置し未熟ではあるが、その具体的事例実践的なものとして措定できる論が、翌年1969年昭和44年5月ハワイ大学講演発表した『美の存在発見』である。『美の存在発見』では主として『源氏物語』触れられており、〈もののあはれ〉論が述べられている。 26年後の1994年平成6年)に日本人2人目のノーベル文学賞授与され大江健三郎はその思想的背景から、この『美しい日本の私―その序説』を意識し川端姿勢に対して皮肉を込めたあいまいな日本の私』という演題で、「英語」による講演(のち日本語訳発表)を行なった

※この「講演の背景・概要」の解説は、「美しい日本の私―その序説」の解説の一部です。
「講演の背景・概要」を含む「美しい日本の私―その序説」の記事については、「美しい日本の私―その序説」の概要を参照ください。

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