誠の死の理由~父の復讐劇
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「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」の記事における「誠の死の理由~父の復讐劇」の解説
誠の屋上から落下後、生死は分からないが動かなくなったため、屋上で誠を追い詰めた和彦達イジメグループの生徒はどうにかこの事件を自殺に見せかけ隠蔽しようとする。誠はその後病院へ送られ、一時は一命を取り留めたものの、容態が悪化し死亡してしまう。衛は悲しみに打ちひしがれるが、誠が生前に文通をしていた神戸のガールフレンド・菱田涼に送った手紙を通じ、誠の死の原因がイジメにあることを知り、自分が知らなかった学校での事実と、自分が息子を信用せず無理やり学校に行かせていたことに、あまりのショックで愕然とする。その後、学校・教師・生徒を相手に誠イジメの犯人探しを始める。しかし、ことなかれの態度を取る校長の新藤、学校経営上の風評を危惧する教頭の羽柴、イジメていた生徒、同じくイジメていた体育教師の宮崎らは、何事もなかったかのように衛を冷たくあしらう。 しかしある日、衛は体育教師の宮崎が誠をプールで溺れさせている写真が自宅に送りつけられたことをきっかけに、体育教師の宮崎が誠に体罰を行っていたのではないかという疑惑を持つ。衛は宮崎に問い詰めるが、疑惑を否定する宮崎。しかし疑惑が事実であると直感する衛。衛は宮崎が校内のプールの脇で一人休憩している所に、岡持の箱で宮崎の額を殴りプールの中に投げ入れ、宮崎が誠に体罰した時と同じ方法で何度も水面に顔を沈め溺れさせ、殺害する。誠の死に関わる者が他にもいることを直感した衛は、誠の同級生・間中俊平を問いただし、誠イジメのメンバーを聞き出す。俊平は、メンバーの一人として留加の名前を口にする。しかし、留加は誠の死後、精神的なショックから昏睡状態に陥っていた。衛は、留加に復讐するために影山家に忍び込み留加の首に手をかけ絞殺しようとするが、昏睡状態の中、誠の名を呼んだことから手を緩め、留加の殺害を思い止まった。留加は昏睡状態を脱したものの、車椅子歩行で重度の記憶障害に陥って子供のような精神年齢になり、誠の名以外を全てを忘れてしまった。母の小与は実家の田舎で留加をつれて暮らすことを決意し、町を去った。 プールの中に沈められていた宮崎の殺人事件はニュースになる。宮崎の死に疑念を持った警察の須藤刑事は、宮崎殺しの犯人として衛をマークし始めていた。衛は警察にマークされていることに気づきつつも、イジメていた関係者達への復讐を続ける。誠の死後早くから復讐に怯えていた誠の同級生の戸田哲雄は、森田に、誠に対するイジメがあったことやその先鋒が和彦だったことを告白し、森田は愕然とする。衛が誠の同級生の松野裕次を殺害しようとしたのを止めた森田は、体罰やイジメがあったことを裁判で公にすると衛に誓い、衛は復讐をやめ出頭することを決意する。須藤刑事に罪を告白した衛は、夏美には真相を自分の口で伝えたいと言い、一日の猶予をもらう。夏美に告白しようとする衛だが、夏美から衛宛に家に送られてきた封筒を渡される。中には誠の死の瞬間を収めた写真が入っていた。真の首謀者の存在を確信した衛は、写真を送りつけた犯人を探すために、警察から逃亡する。 裁判で証言すると森田に約束した裕次は、哲雄にも証言をもちかける。しかし、イジメグループのリーダー和彦が、裕次と哲雄への口止めに入る。屈服する哲雄に対し、裕次は和彦達に歯向かう。しかし、その日から誠の死後のイジメのターゲットとして、裕次は執拗なイジメを受けるようになる。和彦に脅され、自分の将来の不安をことさらに煽られた哲雄は、イジメの事実の証言の約束を無かったことにさせられた上、自身もやはり和彦の圧力によって裕次イジメに加担させられた。裕次イジメはエスカレートし、裕次は屈辱的なイジメを受けた上に和彦から自宅の家業への圧力を仄めかされ、口をつぐんだ。その後、大場家に赴いて誠の位牌を拝みにいくも、裁判で証言できないのにも関わらず許しを請うたことで夏美を激高させてしまう始末であった。これらのことに耐えられず、体育館倉庫内で首吊り自殺を図るものの、改心を認めた衛からは「誠は許すよ」と声をかけられ救出された。一方の森田も、イジメの事実の追及に奔走するものの、校長、教頭、同僚教師の村田志穂、米田太一らの冷ややかな態度を前に、事実上その追及の手は阻まれることとなる。
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