詐欺事件の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 17:29 UTC 版)
「ペニーオークション詐欺事件」の記事における「詐欺事件の概要」の解説
ペニーオークションの仕組みについては「ペニーオークション」を参照 2012年(平成24年)12月7日、参加者が入札しても落札できない仕組みのペニーオークションサイト「ワールドオークション」で、入札者から手数料をだまし取ったとして、詐欺罪の容疑で出会い系サイト運営会社の役員1人と社員3人の計4人が、京都・大阪府警に逮捕され、有罪判決を受けた。 4人が運営していた複数のペニオクサイトは、最初は高額商品が0円などの低額でスタートし、1円から15円の入札単位で徐々に価格が上がっていく。入札するごとにサイト業者にあらかじめ先払いした仮想通貨で数十円単位の入札手数料を入札者が負担し、落札後に商品の落札金額を、仮想通貨で支払うシステムと紹介されていた。 しかしサイト運営者が、架空会員名義のボットにより自動入札して金額を釣り上げ、1000万円にならない限りは落札できない仕組みになっており、入札すればするほどサイト業者に金が入る仕組みになっていた。またダミー商品として一部の低価格商品のみ例外的に低額で落札可能になっていたが、そのような事例は全出品の1.2%にすぎなかった。さらに家宅捜索で押収した資料を分析した結果、出品した高額商品を仕入れた形跡がなく、入札者に商品を販売する意思すらなかったことが判明している。 2012年10月から11月にかけて、スマートフォンから個人情報を抜き取るコンピュータウイルス作成に関与したとして、不正指令電磁的記録に関する罪の容疑で、出会い系サイト運営会社役員1人と社員3人(詐欺罪で逮捕された3人とは別の3人)を逮捕し、その際に押収した証拠データを解析した結果、ペニオクサイトの仕組みが判明して詐欺発覚のきっかけとなった。 これは、スマートフォンの「電池長持ちアプリ」などの名目で無料アプリを配布し、アプリにマルウェアを仕込んでスマートフォン内の電話帳データを抜き取り、ペニーオークションへ勧誘するスパムメールを送信していたというもの。違法アプリの摘発からペニオク詐欺の実態が明らかになり、運営者に対する詐欺事件での立件につながった。さらにそこから波及して、複数の芸能人らによるステルスマーケティングの実態まで明らかになった。 出会い系サイト運営会社の役員ら4人の逮捕後に、彼らが関与していた複数のペニオクサイトは閉鎖された。12月29日、出会い系サイト運営会社役員ら4人は詐欺罪で起訴された。4人の起訴事実は「事実上商品を落札できない仕組みなのに、ペニオクサイトで『激安価格で落札できる』などと表示し、顧客4人から2012年1月から7月にかけて、手数料計3万3700円をだまし取った詐欺」である。4人が関与したペニオクサイトは会員約10万人の大半が架空であり、正規の参加者が支払った手数料は2010年6月から2012年まで計6000万円に上っていたと報道されている。 また主犯格の出会い系サイト運営会社役員は、本件の詐欺罪だけでなく、別件の不正指令電磁的記録供用罪および同保管罪でも起訴された(こちらの容疑で逮捕された社員3人は不起訴となっている)。 2013年(平成25年)5月24日、京都地方裁判所は、主犯格の出会い系サイト運営会社役員に懲役3年執行猶予5年(求刑・懲役3年)を、同社社員3人に懲役1年6月執行猶予3年(求刑・1年6月)の判決を、それぞれ言い渡した。弁護側は331件の被害者に計607万円の損害賠償を支払ったことから、執行猶予付き判決を求めていた。
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