著作歴
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1952年(昭和27年)、挿絵画家を経て貸本漫画出版社の中村書店で『小公子』(原作フランシス・ホジソン・バーネット)を執筆後、若木書房より単行本『すあまちゃん』『涙の賛美歌』で少女漫画家としてデビュー。1957年(昭和32年)から少女漫画雑誌での連載を開始、1960年代初期には、母娘や姉妹の絆をテーマにした『白馬の少女』『おかあさま』等が人気を博した。1960年代中頃からは欧米を舞台にした作品群で少女達に夢とロマンを与え、1970年代には少女の内面にある善悪双方に共感を呼んだ『ガラスの城』に続く代表作『聖ロザリンド』でサスペンスホラーの新境地を開拓。同時期にはウィリアム・アイリッシュ原作『幻の女』等、海外ミステリの漫画化も手がけている。 レディースコミック誌に活動の場を移した1980年代には、日本を舞台にした作品が中心となり、単行本18冊にわたる短編連作『悪女シリーズ』、後年にテレビドラマ化された長編『独りまつり』等の愛憎物語を経て、『ねんね…しな』等の怪談の長編短編も描き始めている。昭和初期の日本的情緒の中で女の魔性を描く『小間使い』等の短編は、1990年代に入ってから泉鏡花原作『夜叉ヶ池』等の近代文学の漫画化にもつながり、同時期には長編『かおるの最後の顔』短編『華燭』メアリ・H・クラーク原作『永遠の闇に眠れ』等、現代を舞台にしたミステリの佳作も多い。画面全体から醸し出される詩情の深さは、2000年代に入ってからの江戸時代物『ライオンの城』等にも受け継がれている。1993年(平成5年)にスタートした『金瓶梅』は2011年まで連載した。 1991年(平成3年)から2003年(平成15年)にかけて、ホーム社発行・集英社発売で刊行された選集『わたなべまさこ名作集』では、画業50年を越える各時代の多彩な作品群が100冊に収録されている。デビュー以降のわたなべまさこの単行本は様々な出版社から刊行されてきたが、この名作集で初めて単行本化された作品も少なくない。 2008年(平成20年)には、双葉社から『まんがと生きて』(ISBN 4575300888)を刊行した。 2017年(平成29年)に、宝島社の「このマンガがすごい!comics」から44年ぶりになる描き下ろしの完全新作第0話を収録した『聖[セイント]ロザリンド』が再版された。
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