置換基効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/14 04:23 UTC 版)
シクロヘキサンあるいはテトラヒドロピラン環(Y = 酸素)上の置換基によって、観測されるアノマー効果には差異がある。XがOHの時は、一般的なアノマー効果が見られる。XがCNの時も同様の結果が得られる(シクロヘキサン環ではエクアトリアル位を好むのに対して、テトラヒドロピラン環ではアキシアル位を好む)。XがFの時は、どちらの環においてもアノマー効果が観測される。しかしながら、XがNH2の時は、アノマー効果は観測されず、どちらの系においても置換基はエクアトリアル位を好む。これは立体的効果と逆アノマー効果と呼ばれる効果が原因である。
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置換基効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/02 17:25 UTC 版)
前述の通り、ROMP 触媒反応は環ひずみを駆動力として進行する。したがって、基質として二環式化合物および三環式化合物が最も適している。しかし、これらの反応は莫大な生成物を生じうる。環状化合物に置換基を導入することによりより複雑でより機能的な重合体を得ることができる。残念にも、環状化合物上の置換基は最も一般的な触媒との間に有害な反応を起こす。まず、グラブス触媒はニトリルおよびアミン基により被毒される。多くの一般的なモリブデンもしくはタングステンメタセシス触媒は酸素や窒素を含む置換基の影響を受ける。したがって、ルテニウム-カルベン錯体など、これらの官能基の影響を受けない代替触媒の研究が進められている。 環状錯体上の置換基の位置は触媒毒性と関連している。しかし、毒性がない場合でも基質の反応性の決定に関与している。置換基が二重結合している炭素に結合している場合、この重合反応は起こらない。Slugovc, et al. は「スーパーグラブス触媒」、(H2IMes)(PCy3)(Cl)2Ru=CHPh を用いる ROMP 反応への様々な官能基の影響を試験した。実験結果は、反応混合物に一般的な置換基を導入することによる重合体の分子量の調整の可能性を示唆している。 触媒によっては、反応速度を加速する置換基も存在する。ノルボルネンエポキシドは RuCl3/アルコール混合物が触媒として用いられている場合、反応速度を加速する。Basset, et al. はこの加速の原因は、メタロオキサシクロブタン錯体の形成により、メタセシス開環に際して活性ルテニウム-カルベン錯体が直接得られることによるものであると説明している。類似の経路が可能となる置換基でも反応が加速されることが、この考察を裏付けている。 重合体物性の操作において、立体規則性および位置規則性の精密制御は強力なアプローチのひとつである。特にポリオレフィンの場合は、立体規則性および位置規則性により熱的物性やレオロジー物性、結晶性が劇的な影響を受ける。Hillmyer, Kobayashi, Pitet は、3置換シス-シクロオクテン(3RCOE, Rはメチル、エチル、ヘキシル、フェニル基)の立体選択性および位置選択性を持つ開環メタセシス重合を実証した。その後、Hillmyer, Cramer の研究により、位置選択性は置換基と NHC リガンドとの間の立体障害に起因していることが実証されたが、溶媒極性からの影響も顕著であることが示された 。この研究において、著者らは環のサイズによって異なる律速段階も発見している。
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置換基効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/22 05:42 UTC 版)
芳香環上に存在するとき、電子供与性の強い共鳴効果と、電子求引性の誘起効果をもたらす。すなわち、ベンゼン環上においては、オルト位とパラ位の電子密度を高め、メタ位の電子密度を下げる。これは酸素原子が大きな電気陰性度と2個の孤立電子対を持つことに由来する。 また、オルトリチオ化反応 (ortho-lithiation) の手がかりとなる。
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置換基効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/21 18:48 UTC 版)
芳香環ではない炭化水素にヒドロキシ基が直結している場合は、直結した炭素から電子求引性の誘起効果をもたらす。 芳香環にヒドロキシ基が直結している場合には、炭素よりも酸素の電気陰性度が高いために誘起効果によって炭素側から電子を引き出そうとするものの、それとは相反する、芳香環へと電子供与性を示す共鳴効果の方が勝る。このため、芳香環に直結したヒドロキシ基は、芳香環への電子供与性を示す。 なお、ヒドロキシ基に強塩基が作用して水素イオンが引き抜かれた形 (-O−) に変わると、酸素原子に過剰に負電荷が乗るため、共鳴効果としても誘起効果としても電子供与性を示す。
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