誘起効果とは? わかりやすく解説

誘起効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/28 03:43 UTC 版)

化学および物理学において、誘起効果(ゆうきこうか、: Inductive effect)は、分子内の原子鎖を通じた電荷伝達の実験的に観測される効果であり[1]、結合に永久双極子を生じさせる。σ結合における誘起効果はπ 結合におけるエレクトロメリー効果英語版に相当する。全てのハロゲンは電子求引性基、全てのアルキル基は電子供与性基である。




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誘起効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/26 23:44 UTC 版)

ベント則」の記事における「誘起効果」の解説

誘起効果もまた、ベント則により説明可能である。誘起効果は共有結合介した電荷伝達であり、ベント則混成違いにより誘起効果の違い生む。下の表で示した化合物は下のものほど中心炭素結合した原子電気陰性度大きくなり、またそれに従って中心原子電子吸引性増加する電子求引性置換基定数によって測られるが、置換基定数ハメット則のσの値とほぼ同じものであり、値が増加するにつれ電子求引性増加するベント則置換基電気陰性度増加するにつれ、p性はより置換基側に向かい、s性はより結合の間へと向かう。s軌道p軌道よりも原子核に近いほど電子密度高くなるため、s性が高まるとC−R結合電子密度炭素側に偏る。これにより、中心炭素R基への電子求引性がより大きくなる。したがって置換基電子求引性隣接する炭素へと移動するため、誘起効果と結果一致する置換基置換基定数 −0.30 0.00 1.05 1.94 2.65

※この「誘起効果」の解説は、「ベント則」の解説の一部です。
「誘起効果」を含む「ベント則」の記事については、「ベント則」の概要を参照ください。


誘起効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/11 07:32 UTC 版)

有機電子論」の記事における「誘起効果」の解説

詳細は「誘起効果」を参照 ルイス分子双極子モーメント測定結果から、ある原子静電効果結合を介して隣接する他の原子静電効果影響を及ぼすことを指摘している。例え塩素原子結合したα位、β位の炭素は、連結数を経るにつれて作用減弱するものの、塩素原子電子引き付けられ塩素原子存在しない場合よりも価電子作用減弱した性質を示す。この様電子親和性言い換えるならば電気陰性度)が化学結合を介して他の原子静電的環境影響を及ぼす作用ロバート・ロビンソンは誘起効果(I効果Inductive effect)と呼称した。 誘起効果が物理現象として明確に現れる例として、置換基と酸または塩基性強度との相関挙げられる例えば、カルボン酸誘導体に対して電子求引性基である塩素基が置換したケースについて説明する酢酸に対してモノクロロ酢酸ジクロロ酢酸そしてトリクロロ酢酸pKa次に示す。 CH3COOH - pKa = 4.74 ClCH2COOH - pKa = 2.87 Cl2CHCOOH - pKa = 1.25 Cl3CCOOH - pKa = 0.77 このように塩素置換数が増大するにつれて強酸性となる。言い換えるカルボン酸OH基の酸素上の電子密度が低いほど解離進行しやすく、この例では塩素I効果(I−効果)により、酸素上の電子塩素側に引き付けられ置換した塩素基の数が多いほどI−効果強く現れpKa減少傾向示した説明することができる。 逆の例として酢酸メチル基置換した例が挙げられるメチル基電子供与性を示し、それがI効果(I+効果)により、カルボン酸電子密度増やしpKa増大した説明することができる。 CH3CH2COOH - pKa = 4.88 (CH3)2CHCOOH - pKa = 4.86 (CH3)3CCOOH - pKa = 5.05 CH3(CH2)2COOH - pKa = 4.82 CH3(CH2)3COOH - pKa = 4.86 このように電子求引性の誘起効果をI−効果電子供与性の誘起効果をI+効果呼称することがあるまた、配位結合正負イオン対が接合した態とみなすことができ、配位結合を→で示すことの比喩で、I効果存在する共有結合をの記号表示する場合がある。

※この「誘起効果」の解説は、「有機電子論」の解説の一部です。
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