位置選択性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 22:36 UTC 版)
位置選択性(いちせんたくせい、Regioselectivity)とは反応化学の用語のひとつ。ある基質に起こる反応が起こる位置(原子あるいは原子団)にいくつかの異なる可能性があるときに、実際の反応が何らかの要因により特定の位置で起こる性質。反応中間体や遷移状態の安定性の違いが位置選択性に反映され、その違いは立体的な要因、電気的な要因、非共有結合性相互作用、溶媒の関与、共鳴や超共役、電子軌道の形や電子密度、試薬の当量などさまざまな要因に由来する。
- 1 位置選択性とは
- 2 位置選択性の概要
- 3 ペリ環状反応
位置選択性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/08/12 05:10 UTC 版)
1,1-二置換型のアルケンや立体的にかさ高い置換基を持つ一置換アルケンでは立体障害から予想される通り、立体的に空いている側にホルミル基が導入される。しかしそれほど立体的に大きくない置換基を持つ一置換アルケンでは複雑な位置選択性を示す。脂肪族のアルケンではコバルト触媒では末端側にホルミル基が導入された方の生成物が主生成物として得られる。 しかし、トリフェニルホスフィンのように単純なホスフィン配位子を持つロジウム触媒の系では位置選択性が悪く、生成物は位置異性体の混合物となる。この場合ホスフィン配位子を大過剰に使用するとコバルト触媒と同じように末端側にホルミル基が導入された生成物が主生成物となる。過剰量のホスフィン配位子の使用は反応速度の低下を招くが、位置選択性の向上及び金属触媒のクラスター化抑制効果があるため、基質に応じたホスフィン配位子の選択が重要である。また、スチレンの場合には内部の炭素にホルミル基が導入されたヒドロトロパアルデヒドが主生成物として得られる。
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位置選択性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/25 03:44 UTC 版)
「芳香族求電子置換反応」の記事における「位置選択性」の解説
生成物に位置異性体が考えられる場合、その生成物分布は求電子剤が付加する位置で決まり、基質上の電子分布や立体障害の影響を受ける。このうち、置換基の電気的性質に由来した位置選択性を配向性と呼ぶ。電子供与基を持つ基質では、そのオルト位とパラ位の電子密度が共鳴効果により高まっているため、オルト置換体とパラ置換体がメタ置換体よりも優位に生成する。これはオルト-パラ配向性である。さらに求電子剤や置換基のサイズが大きい場合は、立体障害によりパラ位への付加が優先する。逆に、電子求引基による共鳴効果でオルト位とパラ位の電子密度が下げられている場合、置換反応はメタ位へと起こる(メタ配向性)。
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