ディールス・アルダー反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/31 04:55 UTC 版)
ディールス・アルダー反応(—はんのう、英: Diels–Alder reaction)とは、共役ジエンにアルケンが付加して6員環構造を生じる有機化学反応であり、[4+2]環状付加とも言われる。1928年にドイツの化学者、オットー・ディールス (Otto Diels) とクルト・アルダー (Kurt Alder) によって発見された[1](1950年にノーベル化学賞受賞)。ジエン合成とも呼ばれる。ペリ環状反応のうち、付加環化反応のひとつ。
- ^ Diels, O. and Alder, K. (1928). “Syntheses in the hydroaromatic series. I. Addition of “diene” hydrocarbons”. Liebigs Ann. Chem. 460: 98.
- ^ Ose, T. et al. (2005). "Insight into a natural Diels−Alder reaction from the structure of macrophomate synthase". Nature 422: 185–189. doi:10.1038/nature01454
- ^ 世界初の天然型 Diels-Alderase (北海道大学)
- ^ Guimarães, C. R. W.; Udier-Blagovic, M.; Jorgensen, W. L. (2005). "Macrophomate Synthase: QM/MM Simulations Address the Diels-Alder versus Michael-Aldol Reaction Mechanism". J. Am. Chem. Soc. 127: 3577–3588. doi:10.1021/ja043905b
- 1 ディールス・アルダー反応とは
- 2 ディールス・アルダー反応の概要
- 3 参考文献
- 4 関連文献
ディールス・アルダー反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 05:35 UTC 版)
「スルホレン」の記事における「ディールス・アルダー反応」の解説
3-スルホレンは主にブタジエンの代用として価値を持つ。1,3-ブタジエンのin situでの製造と即時の消費は、室温で気体であるジエンとの接触を大幅に回避する。費用以外の欠点の1つは、発生した二酸化硫黄が酸と反応しやすい物質と副反応を引き起こす可能性があることである。 1,3-ブタジエンと反応性の低いジエノファイルとのディールス・アルダー反応は、100℃以上での長時間の過熱を必要とし、危険である。純粋なブタジエンを用いた場合、高圧に耐えられる特殊な装置が必要である。 スルホレンでは、遊離したジエンが付加環化反応で消費されるため、ブタジエンの圧力の上昇は予想できない。したがって、可逆的押出反応の平衡は、内部の「安全弁」として機能する。 3-スルホレンは、沸騰キシレン中で無水マレイン酸と反応し、cis-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物となり、その収率は90%にもなる。 3-スルホレンは、110℃、trans型でフマル酸ジエチル等のジエノファイルとも反応し、二酸化硫黄を脱離して66-73%の収率でtrans-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチルエステルが得られる。 沸騰キシレン中で6,7-ジブロモ-1,4-ジヒドロナフタレンと3-スルホレンが反応し、三環式付加物が得られる。この前駆体は、過塩素酸で処理した後、最後のステップで2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノンで脱水素化されて2,3-ジブロモアントラセンになるジブロモジヒドロアントラセンを生成する。 3-スルホレンの逆キレトロピー反応で得られる1,3-ブタジエンは、ベンザインとディールス・アルダー反応し、9%の収率で、1,4-ジヒドロナフタレンを得る。
※この「ディールス・アルダー反応」の解説は、「スルホレン」の解説の一部です。
「ディールス・アルダー反応」を含む「スルホレン」の記事については、「スルホレン」の概要を参照ください。
ディールス・アルダー反応と同じ種類の言葉
- ディールス・アルダー反応のページへのリンク