線形および工区割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:23 UTC 版)
トンネルの縦断線形は、起点側(東側)から3パーミルの勾配で上り、まもなく10パーミルの下り勾配となって、終点側の一部に3パーミルの短い下り勾配が設定されている、トンネル両端に比べて中央部の高い拝み勾配になっている。トンネルは単線であるが、内部に儀明信号場が設置されており、一線スルー方式で全長240 mの列車が交換可能となっている。国鉄北越北線として建設されていた時に貨物列車の運行が計画されていたことから、この信号場はもともと有効長が460 mで設計されており、複線断面とされている区間の長さは680 mに達している。またほくほく大島駅(仮称頸城大島駅)は当初交換可能駅として設計されており、待避線の一部と安全側線が鍋立山トンネル内に設置されるため、終点側坑口が330 mにわたって複線断面となっている。ほくほく大島駅の交換設備は、第三セクター鉄道としての工事再開時に設置されないことに変更され、その後の高速化対応工事でもそのままとされたことから、この複線断面区間は単線で供用されている。トンネル内は当初非電化で計画されていたが、高速化に関連して直流1,500 V架空電車線方式で電化されている。トンネルの断面は、場所により通常の馬蹄形、円形、卵形などが使い分けられている。 トンネルのキロ程は工事誌本文によれば、六日町起点29 km573 m50から38 km690 m00までで、全長9,116.5 mである。しかし国鉄線としての着工、第三セクター鉄道としての工事再開、高速化のための改良と3段階に渡って計画が修正されてそのたびにキロ程に変化が発生しており、工事誌巻頭の地図では29 km470 m17の地点から全長9,129.5 mのトンネルとされている。北越急行公式ウェブサイトによれば、全長は9,129.5 mでありこれにはスノーシェッド13 mを含んでいる。すなわち、トンネル本体の長さは工事誌の通り9,116.5 mである。以下の記事では工事中のキロ程に基づき記述する。 トンネルは、東から東工区、中工区、西工区の3つの工区に分けて施工された。このうち中工区は斜坑を用いて取り付き、両坑口へ向けて掘り進んでいった。東工区と西工区は両側坑口から工事を進め、早く工事の完了した東工区側からは中工区の迎え掘りを行っている。また1981年(昭和56年)の西松建設技報では、中工区の範囲を31 km324 m - 34 km651 mの3,327 mであるとしており、この時点で西側の掘削は完了しているとしている。34 km651 m - 34 km711 mの60 mは、中工区その2工事として1981年(昭和56年)1月から3月にかけて施工されており、工事の進捗に応じて工区境が変更された可能性がある。 鍋立山トンネル工区割工区名東中西着工1973年12月7日 1973年12月7日 1973年12月17日 竣工1978年8月28日 1995年11月7日 1982年3月25日 キロ程29 km573 m50 -31 km324 m 31 km324 m -34 km711 m 34 km711 m -38 km690 m 延長1,750.5 m 3,387.0 m 3979.0 m 作業坑換気立坑39 m、φ=0.9 m31 km320 m地点 斜坑293 m34 km250 m地点 換気立坑125 m、φ=1.6 m36 km086 m 施工業者大林組 西松建設 熊谷組
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