線形、および螺旋ピッチ空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 06:44 UTC 版)
「ピッチ空間」の記事における「線形、および螺旋ピッチ空間」の解説
最も単純なピッチ空間モデルは実線である。基本周波数fは、式に従って実数pに写像される。 p = 69 + 12 ⋅ log 2 ( f / 440 ) {\displaystyle p=69+12\cdot \log _{2}{(f/440)}\,} これにより、オクターブがサイズ12、半音(ピアノキーボードの隣接するキー間の距離)がサイズ1、中央ハがMIDIにおける番号60に割り当てられる線形空間が作成される。440Hzは「コンサートピッチ」の標準周波数であり、「中央ハ」の9半音上の音である。この空間の距離は、鍵盤楽器の物理的距離、西洋音楽表記の正書法における距離、心理実験によって測定されミュージシャンに想像される心理的距離に対応する。このシステムは、標準的なピアノの鍵盤上にはない「マイクロトーン」を含めることができる柔軟性を備えている。たとえば、C(60)とC#(61)の中間のピッチを60.5と表すことができる。 線形ピッチ空間の問題点の1つは、オクターブに関するピッチ、また同じピッチクラスにあるピッチ間の特別な関係がモデル化されないことである。これにより、M. W. Drobish (1855) やRoger Shepard (1982) などの理論家は、螺旋を使用してピッチの関係をモデル化した。これらのモデルでは、すべてのオクターブに関するピッチが1本の線に沿って並ぶように、線形ピッチスペースが円柱に巻き付くように配置される。ただし、これらのモデルを解釈するときは、螺旋を含む3次元空間で「距離」をどのように解釈するかが明確ではないため、注意が必要である。また、螺旋自体に含まれていない3次元空間上の点の解釈も明確ではない。
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