その2工事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 08:30 UTC 版)
渡河区間を含む左岸側4径間の建設は2007年(平成19年)10月12日着手され、これは右岸側の上部工の工事着手時期よりも早かった。設計会社は新日本技研株式会社および大日本コンサルタントが担当している。 2008年(平成20年)3月、東京国際空港(羽田空港)D滑走路の建設により、左岸側(桶川市側)の橋脚の基礎杭で使用する鋼材の調達が困難となったため、工事請負契約書第21条(工期延長願)を適用して工期を4か月延長する措置が取られた。 下部工は木原建設が5億4600万円で請け負い、下部工の施工は2008年(平成20年)11月着工された。下部工は2009年(平成21年)3月20日完工し、作業ヤードと共に次の工程である上部工の架設に引き継がれた。 上部工の建設は2008年(平成20年)6月19日着手された。施工業者は三菱重工鉄構エンジニアリング、日本橋梁共同企業体が28億9800万円で請け負い、橋上部の合成床版の製作は東洋スタット株式会社が担当し、2008年(平成20年)12月に予め工場にて製作が行なわれた。製作した合成床版は上部工の架設工事の際には工場出荷前に検査が行われた。 上部工の架設は荒川の出水期が6月10日に迫っていたため、2.5ヶ月以内で架設をしなければならず、工期短縮への対応策を講じた。 架設は右岸側の既設の橋の上に軌条および台車を設置して送出し設備を仮設し、そこで主桁の組み立てを2回に分けて行なった。架設に使用したクレーンは10台以上が投入された。主桁の左岸側先端には送出しのガイドとなる手延べ機が仮設された。工期遅延により出水期内の作業も想定されたため、河川区域内へのベントは設置せず、代わりの支持工として橋脚に高さを延長して既存の橋桁の橋面との高さを同一に揃えるためのブラケットを設置し、橋桁上およびブラケット(橋脚)上にはエンドレスローラーを用いた送出し装置が上下線合わせて18ヶ所仮設された。組み立てが終わった主桁は左岸側先端に送出しの際にガイドとなる手延機を繋ぎ、主桁の右岸側にワイヤーロープを引き込む方式の推進装置を設置して日当たり40メートル強の送出し速度で左岸側に向けて主桁を送出して架設された。 架設は本来、104日(4ヶ月)の工期が掛かるところを工期短縮のさまざまな対策実施により予定よりも短い61日を掛けて行われ、2009年(平成21年)6月1日に完了し、期限である6月10日の出水期までに主要な工事を終らせることができた。 2009年(平成21年)8月21日、橋はまだ工事中で路面の舗装などがされていなかったが、大宮国道事務所主催の「夏休み圏央道親子見学会」が開催され、工事現場の見学が行われた。見学は高所作業車の体験乗車や、透水性舗装についての学習などが行われた。 橋の工事は2009年(平成21年)11月30日完工し、荒川渡河橋は竣工した。
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