総選挙執行と無効化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 14:19 UTC 版)
「2020年キルギス反政府運動」の記事における「総選挙執行と無効化」の解説
2020年10月4日に総選挙(英語版)が執行された。選挙は比例代表制であり、議席獲得には得票率7%以上を要する制度になっており、選挙の結果、この条件を満たしたのは立候補者を擁立した16政党中4政党のみであった。120議席中、統一(英語版)(得票率24.54%)に46、私の故郷キルギスタン(英語版)(23.92%)に45、キルギスタン党(英語版)(8.75%)に16、統一キルギスタン(英語版)(7.1%)に13議席が割り振られるとの暫定結果が公表された。だが上位3政党(合計107議席)がソーロンバイ・ジェーンベコフ大統領に近く、新たに招集される議会がジェーンベコフ支持派にほぼ支配されることは確実な情勢であった。 10月5日よりキルギス社会民主党をはじめとする野党勢力が首都ビシュケクにあるアラ・トー広場(英語版)に集結し、選挙無効を訴える行動を開始。約5千人が参加する抗議活動が始まったが、しばらくは平和的なものであった。また議席を獲得できなかった全12政党は総選挙結果を認めないとの共同声明を発表した。欧州安全保障協力機構は選挙について、全体的に基本的権利と自由が尊重されたとしたものの、選挙買収や脅迫があったと主張する根拠については信頼できると述べ、深刻な懸念の原因になっていると認めた。一部の市民が、既に記入済みの投票用紙を手渡されていたなどの目撃情報が報告されている。 この動きにジェーンベコフは5日、総選挙に参加した全政党の代表との会合を翌6日に開催する意向を示したほか、警察当局は放水砲やスタングレネード、催涙ガスを使用して広場からのデモ隊排除を試み、5日遅くに解散させた。しかし数時間後には再びデモ隊が広場に集結し、大統領府と議会が入る政府庁舎へと突入した。その後、国家保安委員会の本部にもデモ隊が押し寄せ、6月に汚職罪で11年2カ月の禁錮刑となり収監されていたアルマズベク・アタンバエフ前大統領らが解放された。野党は政権を掌握したと宣言し、連立政権樹立に向け協議を開始。ジェーンベコフは違法な政権奪取の試みであると批判したが、デモ隊には発砲しないよう治安部隊に命じた。保健省によれば突入劇のさなか590人が負傷し、1人が死亡した。10月6日、ジェーンベコフはテレビ演説を行い、特定勢力が総選挙の結果を秩序破壊の理由として利用したと非難。野党に対しては支持者を落ち着かせ、集会から引かせるよう促したほか、選挙不正の調査を徹底的に行うよう指示したと発表した。直後、選挙管理委員会は選挙結果の無効を宣言した。10月8日までに負傷者は1000人を超えた。
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