組曲について
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組曲は、原典版の初演後、3つに分けて編まれた。構成は以下の通りである。 第1組曲 序奏(第4幕への序奏) バラの娘たちの踊り アイシャの目覚めと踊り 山岳民族の踊り 子守歌 ガイーヌとギコ ガイーヌのアダージョ レズギンカ 第2組曲 歓迎の踊り 抒情的なデュエット ロシア人の踊り ヌネのヴァリアシオン 老人とじゅうたん織りの場面 アルメンのヴァリアシオン 火災(火焔) 第3組曲 綿花の採集 クルドの若者たちの踊り 序奏と長老の踊り じゅうたんの刺繍 剣の舞 ゴパック 原典版(全曲)の演奏される順序は下記の通りである。 ロシア人の踊り(第2組曲) クルドの若者たちの踊り(第3組曲) 綿花の採集(第3組曲) 山岳民族の踊り(第1組曲) 歓迎の踊り(第2組曲) ガイーヌのアダージョ(第1組曲) ヌネのヴァリアシオン(第2組曲) 老人とじゅうたん織りの場面(第2組曲) 子守歌(第1組曲) アイシャの目覚めと踊り(第1組曲) じゅうたんの刺繍(第3組曲) 火災(火焔)(第2組曲) レズギンカ(第1組曲) 抒情的なデュエット(第2組曲) ガイーヌとギコ(第1組曲) アルメンのヴァリアシオン(第2組曲) 序奏(第4幕への序奏)(第1組曲) バラの娘たちの踊り(第1組曲) 剣の舞(第3組曲) 序奏と長老の踊り(第3組曲) ゴパック(第3組曲) 組曲とはいいつつ全曲を3部に再構成しただけであり、人気の高い楽曲が3つの組曲に分散して収められているため、そのままの形での演奏機会は少ない。それどころか、全く違う曲の構成で「組曲」「第1組曲」「第2組曲」などと題して出版や演奏、紹介などが行われている場合もある。以下にその事例を挙げる。 『最新名曲解説全集 管弦楽曲IV』(音楽之友社、1980年)におけるバレエ音楽『ガイーヌ』の項(執筆:小倉重夫、p.254)作曲者が原典版の初演後に編んだ演奏会用組曲として、以下の3つを記している。第一組曲(剣の舞、子守唄、バラの乙女たちの踊り) 第一組曲A(アイシャの目覚めと踊り、クルド族の踊り、アルメンのヴァリアシオン、クルド族の若者たちの踊り、レズギンカ) 第二組曲(ロシア人の踊り、アンダンテ、ガイーヌのアダージョ、火焰) 日本楽譜出版社のミニスコア「第1組曲」として「剣の舞」「子守唄」「バラの娘たちの踊り」で1冊にしている。同社が出版しているハチャトゥリアン作品のスコアは、これが唯一である。 ブージー・アンド・ホークスのホームページの楽譜カタログ以下の3つの組曲、および演奏時間(27分)のみ記され内容不詳の「交響組曲」(Symphonic Suite, 1961年)が掲載されている。「第1組曲」は『最新名曲解説全集』に記された「第一組曲」と「第一組曲A」を合わせたものに近く、一方で 「第2組曲」と「第3組曲」はこの節の最初に記されたものと一致するため「剣の舞」や「クルドの若者たちの踊り」「アルメンのヴァリアシオン」が「第1組曲」と重複している。第1組曲(Gayaneh: Suite No.1, 1943年)1.Sabre Dance 2.Ayesha's Dance 3.Dance of the Rose-Maidens 4.The Mountaineers 5.Lullaby 6.Dance of the Young Kurds 7.Armen's variation 8.Lezhginka 第2組曲(Gayaneh: Suite No.2, 1943年)1.Dance of Welcome 2.Lyrical Duet 3.Russian Dance 4.Nouné's Variation 5.Dance of the Old Man and the Carpet-Weavers 6.Armen's Variation 7.Fire 第3組曲(Gayaneh: Suite No.3, 1943年)1.Gathering the Cotton 2.Dance of the Young Kurds 3.Introduction and Dance of the Elder 4.Embroidering Carpets 5.Sabre Dance 6.Gopak ネーメ・ヤルヴィ指揮・ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団のシャンドス盤CD(1986年録音)ピアノ協奏曲および『仮面舞踏会』組曲とカップリングの盤(1987年発売)では Gayaneh: Four movements from the Ballet と記載され、交響曲第2番とカップリングの盤(1991年発売)では Gayaneh: Four movements from the Ballet Suite No. 1 と改められている。以下の4曲が選ばれており、付されている曲番号はブージー・アンド・ホークス版の第1組曲と一致する。Ⅰ Sabre Dance Ⅲ Dance of the Rose Maidens Ⅴ Lullaby Ⅷ Lezghinka アンドレ・アニハーノフ指揮・サンクトペテルブルク国立交響楽団のナクソス盤CD(1993年録音、1994年発売)第1番から第3番の3つの組曲に分けて、計17曲を収録しているが、全て「アニハーノフ編」と付記しており、組み合わせも曲名もこの節の最初に記されたものとは異同がある。組曲第1番:1.Introduction 2.Gayane and Giko 3.Armen's Solo 4. Matsak and Armen 5.Gayane's Solo 組曲第2番:1.Harvest Holiday 2.Dance of the Girls 3.Dance of the Boys 4.Choosing the Bride 5.Lullaby 6.Sabre Dance 組曲第3番:1.The Hunt - Andante 2.Dance of the Comrades 3.Matsak's Solo 4.Gayane's Adagio 5.Solo - Love Duet 6.Finale ロリス・チェクナヴォリアン指揮・アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団のASV盤CDこのコンビによるデビュー盤(1991年録音)に『仮面舞踏会』組曲、『スパルタクス』組曲などと共に収録された『ガイーヌ』組曲は、「剣の舞」「バラの娘たちの踊り」「クルドの若者たちの踊り」「子守歌」「レズギンカ」の5曲からなる。その後に発売された別のCD(1992年録音)に『バレンシアの寡婦』組曲やチェクナヴォリアンの自作と共に収録された『ガイーヌ』第2組曲は、この節の最初に記された「第2組曲」に準拠している。 ちなみに、ハチャトゥリアン自身の指揮による抜粋がレコード録音されており、以下のように選曲されている。 フィルハーモニア管弦楽団(1954年、EMI) - バラの娘たちの踊り、アイシャの目覚めと踊り、子守歌、ガイーヌのアダージョ、レズギンカ、抒情的なデュエット、老人の踊り、剣の舞 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1962年、デッカ) - 剣の舞、アイシャの目覚めと踊り、レズギンカ、ガイーヌのアダージョ、ゴパック
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