紙本著色本願寺聖人親鸞伝絵とは? わかりやすく解説

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紙本著色本願寺聖人親鸞伝絵〈巻上/〉

主名称: 紙本著色本願寺聖人親鸞伝絵〈巻上/〉
指定番号 1916
枝番 00
指定年月日 1993.01.20(平成5.01.20)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 2巻
時代区分 南北朝
年代
検索年代
解説文:  本来は絵巻物形式親鸞聖人伝絵であるが、現状は、これを一紙ずつに分離したうえで縦に五紙を並べて一幅掛幅としており、計八幅をのこす。親鸞聖人伝絵(上下二巻、全十五段)の上巻の八段にあたる。
 本図は、南北朝時代浄土真宗の僧として著名な存覚ぞんかく】(一二九〇-一三七三)が記した袖日記』中の「錦織寺【きんしよくじ】絵事」の項に記述され親鸞聖人伝絵にあたると考えられる点で注目されるのである。「錦織寺絵事」は、存覚と縁がふかかった近江錦織寺親鸞聖人伝絵が制作されることになったため、存覚がその詞書書写延文五年(一三六〇)に行った時の記録であるが、この中で彼が書き留めている詞書の各段ごとの紙数行数は、本図のそれとすべて一致する筆跡自体存覚のものに共通性強く本図がこの記録にある伝絵に相当する考えてよいであろう
 親鸞聖人伝絵は、覚如【かくによ】が永仁三年一二九五)に初め制作した十三段永仁本(初稿本)と、康永二年(一三四二)に新たに二段加えて改訂した康永本の二つ系統大きく分けられるが、本図構成夢想【れんいむそう】(第四段)と入西鑑察【にゆうさいかんさつ】(第八段)の二段を含むことから、康永本の系統であることがわかり、また図様おおむね康永本を基本とするものであるしかしながら第七段に曳く僧のいる部屋を描くことなど、図様一部には先行する作例みられない部分もあり、また康永本よりも初稿本系統作品図様が近い場面もあるなど、多く現存する親鸞聖人伝絵のなかでも特色ある一本である。
 存覚周辺では何人かの絵師活躍したことが文献から知られ本図筆者そのような絵師ひとりであったことも考えられるもとより確定しがたい。しかし、その筆致は丁寧で技倆高く中世やまと絵の作品ひとつとして評価できよう
 なお、本図伝える定専坊は、楠木正成後裔称する浄顕の開基になると伝え文明年間一四六九-八六)に蓮如により寺号与えられたとする寺院で、石山合戦多大な功績をなしたことなどが知られるが、本図錦織寺から当寺伝来した経緯は明らかではない。



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