第四段
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 01:29 UTC 版)
童行者が昼夜一心に千手陀羅尼を唱えると、娘の病は癒え、7日目の朝には元のとおり元気になって起き上がった。娘の両親である長者夫妻は感激し、蔵を開けさせて、宝物を取り出して童行者に差し上げようと言う。しかし、童行者は「私は、治し難い病を治し、人の願いをかなえるために祈ったのであって、贈り物のために祈ったのではない」と言って、お礼の品を受け取ろうとしない。病の癒えた娘が「あなた様は仏に相違ない。せめて、私が幼い時から大事にしていた紅の袴と提鞘(小刀)をお持ちになってください」と言うと、童行者はそれだけを形見として受け取った。娘が「あなた様はどこにいらっしゃいますか」というと、童行者は、「どこといって居所は定めていないが、紀伊の国、那賀の郡の粉河というところにおります」と言い残し、立ち去ったと見ると、忽然と消えてしまった。
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