節水トイレ
宇宙からの写真で見ればわかるように、地球は水に覆われた惑星です。しかし、地球上約14億立法キロメートルの水の約97.5%は海水。私たち人類が生活に利用できる淡水は全体の0.007%に過ぎません。21世紀は水の世紀ともいわれ、水をめぐる国際交易ばかりでなく、途上国などの水不足は深刻な問題になっています。
わが国では環境省を中心に「チーム・マイナス6%」の冬の取り組みとして、暖房に頼りすぎず、冬のオフィスを暖かく快適に過ごすビジネススタイル「ウォームビズ」の実践を呼びかけてきました。そして、昨冬「ウォームビズ」の取り組みを「オフィス」から「家」の中にまで広げ、衣食住を通じて「家」の中からできる温暖化対策を推進しています。題して、「うちエコ」。
家庭内の水の用途に関する調査では、トイレの使用量が最も多く、全体の約3割を占めています。トイレ28%、風呂24%、炊事23%(2002年度 東京都水道局調べ)の順です。
家庭用のトイレは13リットルの水で洗浄するのが一般的。
INAXは、2001年に大洗浄8リットルタイプを開発、06年4月に投入したのが大洗浄6リットルタイプの超節水トイレ『eco6(エコシックス)』です。
これまでのトイレは便器の底にあるゼット口から70%、上部から30%の吐水で便器を洗浄していました。この吐水を便器鉢内の上部1ヵ所から勢い良く流すことで強力に洗浄。同時に、タンク内の水位を高く設定し、落差を大きくすることで、水の勢いをアップ。さらに「ディストリビューター(分配)方式」で水の流れを細かくコントロールし、水の勢いを弱めずに便器内に吐出することで、6リットルという少ない水量でも洗浄を可能にしました。
これによって、4人家族の場合、13リットルタイプと比べ、お風呂なら2日で一杯分以上の節水が可能。金額にして年間約12,000円節約できるとしています。しかも1台あたり年間約27kgのCO2削減効果があり、地球温暖化防止にも貢献します。
トイレの基本性能を格段に向上させる様々な革新技術に感心しますが、そのネーミングにも惹かれるものがあります。「6リットルで洗浄」と消費者にストレートにアピールする商品名に成功しています。
普段の生活の中で、「毎日使う水」を「毎日確実に節約」するトイレの普及は、まさに「うちエコ」といえるでしょう。
写真は超節水『ECO6(エコシックス)』トイレの主力品『アメージュV便器』。
第10回環境コミュニケーション大賞(財団法人地球・人間環境フォーラム)「TVCM部門優秀賞」受賞(2006年度以下同じ)。
ホームページ「環境への取り組み」サイトが環境goo大賞企業部門「優秀賞」受賞。
17回読者が選ぶネーミング大賞(日刊工業新聞社主催)ビジネス部門1位受賞。
(掲載日:2007/03/13)
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