省エネ漁業

例えば出漁する漁船を減らすだけでも省エネにつながるため、漁業のグループ化が有効な手段になるとしています。減船してグループ毎に出漁日を決めます。これまでは好漁場を確保するため漁場に全速力で移動していましたが、グループ全体で燃油消費が少ない速度で漁場に移動することができます。収益はルールを定めて漁業者間で配分する方式を採用すれば減船やグループ操業に支障が出ません。
集魚灯もグループで省エネ化することができます。サンマなどの魚は光に集まる習性があるため、漁船には集魚灯が搭載されています。燃料の数割はこの照明に使われるため、燃料使用量を減らすために光力を下げることも検討されていますが、一部の漁業者だけが光力を下げれば水揚げ量に大きな差が出てしまいます。これも一斉に一定量の光力を落とすのであれば省エネと漁業の公平さを両立できます。
この集魚灯には電機メーカーの省エネ技術が活用されています。イカ釣り漁業では、従来の集魚灯に比べて電力消費量を大幅に削減できる発光ダイオード(LED)式集魚灯への転換を進めているところもあります。LEDは省エネ照明としてオフィスなどでの活用も期待され、電機メーカーはその技術や用途開発を加速しており、その取り組みが国内漁業を支援することにつながっていきます。またオフィスや家庭では白熱灯から消費電力の少ない電球型蛍光灯に切り替えて省エネを図る取り組みも進められており、電機メーカーがその生産をシフトする動きをみせています。集魚灯でもメタルハライドランプを搭載したサンマ漁船用省エネ集魚灯をウシオ電機の子会社である照明メーカーのウシオライティング(東京都中央区)が開発するなど、従来の白熱灯に代わる新製品が登場しています。
(掲載日:2008/09/25)
- 省エネ漁業のページへのリンク