紙からつくる糸
紙を原料にした環境に優しい糸がファッションやアパレル業界などで使われ始めています。「紙糸」は細く裁断した紙をこよりの様に撚(よ)って製造され、従来の糸と同じように利用できます。この紙糸の研究開発や製造を手がける王子製紙グループの王子ファイバー(東京都中央区)では、紙の原料にマニラ麻を使用しています。マニラ麻はバナナと同じ芭蕉科芭蕉属の植物ですが、その実は食用にならず、紙の原料として育てられます。3年間で成熟し紙の原料となる繊維を収穫できるようになり、このマニラ麻を原料に使用することで、紙糸には生分解性があり、焼却しても有毒ガスが発生しないなどの環境効果も得られます。
紙糸は従来の麻糸に比べて軽くてハリやコシがあり、吸湿・通気性にも優れ、衣服に利用すれば独特の風合いもあります。紙を撚って製造する紙糸の歴史は古く、綿紡績や化学繊維の製造技術が高度化する以前の二十世紀前半までは欧州や日本でも広く利用されていました。ただ当時の紙糸は耐水性や強度が弱く、繊維としての品質は低かったそうです。王子ファイバーでは、「環境対策が大きな問題になり、紙糸が見直される」との観点から、紙糸を環境に優しい二十一世紀の新しい糸として復活させました。
裁断する紙に色や画像を印刷することも可能で、糸のデザイン性も高くなりました。そのためアパレル・ファッション業界はもとより、インテリアや生活雑貨、寝装寝具など幅広い市場で紙糸は今後利用されていきそうです。
(掲載日:2009/01/27)
紙糸は従来の麻糸に比べて軽くてハリやコシがあり、吸湿・通気性にも優れ、衣服に利用すれば独特の風合いもあります。紙を撚って製造する紙糸の歴史は古く、綿紡績や化学繊維の製造技術が高度化する以前の二十世紀前半までは欧州や日本でも広く利用されていました。ただ当時の紙糸は耐水性や強度が弱く、繊維としての品質は低かったそうです。王子ファイバーでは、「環境対策が大きな問題になり、紙糸が見直される」との観点から、紙糸を環境に優しい二十一世紀の新しい糸として復活させました。
裁断する紙に色や画像を印刷することも可能で、糸のデザイン性も高くなりました。そのためアパレル・ファッション業界はもとより、インテリアや生活雑貨、寝装寝具など幅広い市場で紙糸は今後利用されていきそうです。
(掲載日:2009/01/27)
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