第九章「生き残りし者たち」《Volume 9『HERE WE REMAIN』》
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ミショーンは、草地で蠢くタイリースの首にとどめを刺し、立ち去る。 腹の傷が癒えないリックは、苦痛に耐えながらカールと共に森の中を彷徨い続けている。やがて集落の廃墟に出て、その中の一軒に入り込む。抗生物質を発見し、それを飲んでから眠りにつくが、そのまま昏睡状態に陥る。カールは、そんな父親の様子に恐れをなし、慌てて揺り動かすが、意識は戻らない。それどころか、うめき声をあげながら身じろぎするリックに向けて、銃を構えるカール。だが、どうやら熱に浮かされていたに過ぎないと判断し、心細さに泣き崩れる。 その時からカールひとりの戦いが始まる。ひたすらリックの汗を拭い、ゾンビを倒し、父にあるいは話しかけ、あるいは大声を上げる。夜がやってきて、リックが声を上げ、身じろぎし始める。とうとうその時が来たかと再び銃を構えるカールだが、いずれにせよひとりで生きていくことは出来ないと悟り、食われることを覚悟する。しかしその瞬間、リックは言葉を発する。 ようやく動き回れるほどに回復したリックは、カールと共に周辺の家屋を探索する。その過程で、電話のベルを耳にする。慌てて受話器を取ると、女性の声が聞こえてくる。14人ほどの集団で生活をしているが、最近外部の人間たちとの間でもめごとが起こり、仲間が警戒しているので居場所は明かせないのだという。信じられない思いでその話を聞くリックだが、翌日同じ時刻の電話を約束し、その場を離れる。 電話の会話はそれから毎日続く。リックは、もう移動しなければいけないから、居場所を教えてくれなければ二度と話せなくなると、相手に伝える。そしてふと、名前を尋ねる。 声の主は、ローリだと答える。愕然とし、電話のケーブルを抜いてみるが、それでも声は消えない。自分を責める必要はないし、当然この声は現実のものではない、とローリは話す。 ようやく決心がついたように、カールを伴い移動を開始するリック。だが、そのバックパックの奥底には、受話器が仕舞い込まれていた。 自動車での移動中ゾンビの一群に遭遇し、危うくカールが命を失いかけるが、ミショーンによって救われる。仲間以外の者を殺すために、刑務所から轍を辿り、追跡を続けていたのだった。 その翌日、馬に乗ったグレンとマギーが姿を現す。生き残ったデール、アンドレア、そして双子のベンとビリーらと共に、ハーシェルの農場に留まっているのだと語る。農場にはソフィアもいて、カールとの再会を喜ぶが、すこし様子がおかしい。訝るカールに、人にはそれぞれ死との折り合いの付け方があるのだとリックは説明する。 リックもまた、大勢の死を背負い打ちひしがれている。デールは、死んだ連中のことではなく、生きている連中のことを考えろと諭す。彼らが生きているのは、リックのおかげなのだ、と。だがリックは、もう決断は下したくない、みなの判断に従うつもりだ、と答える。 偶然にも、ミショーンが一人で会話しているところに通りかかるリック。問い詰められ、死んだボーイフレンドに話しかけているのだ、と彼女は答える。それに対して、自分も電話の受話器から妻の声を聞くのだと打ち明けるリック。それが二人の秘密となる。 その夜、ワシントンDCに向かっているのだという一行が姿を現す。 元軍人のエイブラハムと、科学者を名乗るユージーン、そして女性のロジータである。 ユージーンは、ゾンビ発生の秘密を知っていると語る。その知識をワシントンDCの研究施設に届けることが出来さえすれば、この惨状を阻止できるのだ、と。 怪しむリックたちだが、一度銃声を放ってしまうと、その音の届く範囲内のゾンビたちが大量に押し寄せてくるというエイブラハムらの"群れ"理論が証明される事態が発生し、やむなく行動を共にする決心をする。 かくて、ワシントンDCへの旅が始まる。
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