窮乏の生活とは? わかりやすく解説

窮乏の生活

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 06:03 UTC 版)

ギヨーム・アポリネール」の記事における「窮乏の生活」の解説

パリでの生活窮乏極めた1900年2月19日から4月24日までH・デスナールの筆名で『ル・マタン(フランス語版)』紙に小説何をすべきか』を連載。これは弁護士アンリ・エスナールのゴーストライターとして、小説家ウジェーヌ・ガイエ と共同執筆したものであり、19世紀末起こった殺人事件織り込んだ推理小説風または空想科学小説風の作品である。通俗的新聞小説だが、その型破りな作風にはすでに後の『異端教祖株式会社』の萌芽が伺われる。だが、原稿料支払われなかったため、次に、ガイエが主宰するモンマルトル風刺週刊新聞『タバラン』(魔術師奇術師縁日芝居俳優タバラン(フランス語版)(1584-1626)に因む紙名)に寄稿した。しかし、ガイエもまた広告掲載料でかろうじて印刷製本代をまかなっていたため、原稿料はほとんど支払われなかった。 この頃アポリネールポルトガル系ユダヤ人友人フェルディナン・モリナの妹ランダ・モリナ・ダ・シルヴァと出会い毎日のように「ランダへの愛の誓いのことば」、綴り字LINDA行頭読みこんだ五行詩などなど熱烈な愛の詩書き送った。これらの書簡詩は後に「ランダ詩篇」としてまとめられることになる。とはいえランダアポリネールの愛に応えることはなく、結婚申し込みもあっさり拒絶した。 相変わらず窮乏強いられていたアポリネールは、新聞求人見つけた株式取引所書記採用されたが、給料不払い続いて失職生活費を得るために好色本専門書店からの依頼性愛小説『ミルリーまたは安価な小さい穴』を偽名書き上げたが、刊行されなかった。原稿現存しないため、事情不明である。取引所同僚母親紹介で、ドイツ系ノルマンディー貴族ミロー子爵夫人の娘ガブリエルフランス語家庭教師の職を得、ミロー家に同行してライン河畔のノイ・グリュック、そしてホンネフの別荘滞在した。このとき、モナココレージュ同窓生であったジャン・セーヴの紹介文芸誌『ラ・グランド・フランス』に寄稿。ヴィルヘルム・コストロヴィツキの筆名で3篇の詩『月のもの』、『婚礼』、『都会と心』を発表した。 さらに、同じくガブリエルの英語の家庭教師となった英国人女性アンニー・プレイデンに出会い、再び熱烈な手紙書き送った。翌1902年にミロー家がライン地方領地引き上げることになったときにも、アンニーとともに一家同行しケルンハノーファーベルリンドレスデンミュンヘンなどドイツ各地旅し一人プラハウィーン訪れた。このときにルーカス・クラナッハハンス・ホルバインルネサンス期ドイツ画家はもちろん、アルフレッド・シスレーカミーユ・ピサロらの印象派の画家彫刻家オーギュスト・ロダン作品出会ったことは、かれが芸術評論を書くきっかけとなっている。一方、アンニーもまたアポリネールの愛を拒み1903年英国帰国アポリネール追いかけ渡英し、結婚申し込んだが、今回もまた断られた。こうした経験から生まれたのが後に詩集『アルコール』収められる「恋を失った男の歌」(あるいは「愛されない男の歌」)である。ただし、ランダ、アンニー、そしてこの後出会うマリー・ローランサンかの女性たちが愛の詩歌われるときに、「愛の女神、詩の女神芸術女神として愛する」女性として描かれるのと同様に、「恋を失った男の歌」でもアポリネール独自の神話化作用働いている。

※この「窮乏の生活」の解説は、「ギヨーム・アポリネール」の解説の一部です。
「窮乏の生活」を含む「ギヨーム・アポリネール」の記事については、「ギヨーム・アポリネール」の概要を参照ください。

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