空港開港
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 04:17 UTC 版)
震災の影響で商業施設等の多くの施設が島から撤退、震災年の1995年で16,965人だった島内人口は減少に転じ、2003年には14,000人台にまで減少した。第2期地区では土地の売却が進まずに問題となり、2006年3月31日には博覧会の終了後も営業が続けられていた神戸ポートピアランドが阪急グループの経営再建に伴い閉園するなど、景気低迷と相まって低迷期が続いた。 そのような中で転機が訪れたのは、2006年2月16日の神戸空港の開港である。開港に先立ち2月2日にポートライナーが複線化・延伸し、第2期埋め立て部分へのさらなるアクセス向上が図られた。2002年に「神戸ポートアイランド西地域」として政令による都市再生緊急整備地域に指定されたことを受けて、2007年春に神戸学院大学、神戸夙川学院大学、兵庫医療大学の3大学がキャンパスを新しく開設。空室が目立っていた団地内では大学関係者や学生により満室状態に、低迷していたポートライナーの乗客数も急増し現在ではAGT内で最多の輸送力と輸送人員を誇り、ラッシュ時には東京の山手線や大阪の地下鉄御堂筋線をも上回る列車頻度で運行している。 第2期地区でも、1998年にスタートした「神戸医療産業都市(KBIC)」で神戸空港開港の後押しにより企業数が急増、2007年3月28日に次世代スーパーコンピュータ「京」の誘致に成功し、2012年9月28日に供用が開始された。2013年9月12日に世界初となるiPS細胞を用いた網膜シート移植手術を実施したと発表。2014年5月1日に国家戦略特別区域に指定され、2016年4月末現在では、理化学研究所などの研究関連施設や医療関連企業が予測を上回る316社が進出し、国内最大級の医療クラスターとなっている。さらに重機販売会社や中古車販売会社が集積して輸出を行う中古車市場も設けられ、港湾機能では「スーパー中枢港湾/ハイパー中枢港湾」の「次世代高規格コンテナターミナル」に指定、2016年には神戸港のガントリークレーン数が国内最多となり、そのうち8基をポートアイランド第2期地区で担う。 近年では、神戸市立医療センター中央市民病院や兵庫県立こども病院が移転開院し、富岳の設置が第2期埋め立て地区に決定。理化学研究所では関西拠点を発足させ省庁や独立行政法人の研究機関を移転開設。全国初のiPS細胞による目の病気の研究・治療・就労支援を一体的に行う「神戸アイセンター」の建設などの医療・研究ゾーンとしての成長のほか、川崎重工業により水素と天然ガスを燃料とした1メガワット級のガスタービン発電設備の建設が発表され、1800年超の歴史上初となる生田神社の分社が第1期埋め立て地区に完成、愛知より世界最大級の職業訓練施設「港湾技能研修センター」の移転など多様な面で成長を見せている。
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