福州料理(閩北料理)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/30 05:21 UTC 版)
福州料理(福州菜 フージョウツァイ Fúzhōu cài)は、閩北料理(閩北菜 ミンペイツァイ Mǐnběi cài)とも呼ばれる。この場合の閩北は、福建省を閩南、閩北、閩西の3つに分けた場合の言い方である。福建省を閩東、閩西、閩南、閩北、閩中の5つに分けた場合、省都の福州は、閩東と呼ばれる地域の中心であるが、これに閩北、閩中の部分を合わせた地域に相当する。閩東は海に近く、海産物も利用するが、閩北、閩中では干物などの利用に限られ、主に山の素材を利用するなどの差異があり、閩中では付け合せにトウガラシをよく利用するなどの風味の違いもあるため、さらに細分することも可能である。 日本に出身者が多く来ている福清市を含めて、福州市周辺の料理の特徴として下記がある。 海に近い地域が多いため、乾物を出汁に使ったり、あっさりした味のスープや蒸し料理をよく食べる。 他方、砂糖、酢、「紅糟」と呼ばれる紅麹の酒かす、福建老酒などを使って、臭みを消したり、甘み、酸味のある複雑な味を出す。 トマトケチャップやサテソース、練りわさびなど、海外の調味料も取り入れている。 粕漬けにしたナガニシ、ワタリガニ類、鶏肉などの料理がある。 主な料理 仏跳墻 - 各種の干物を壷に入れて、長時間蒸し上げた濃厚なスープ。 鶏湯海蚌 - ハマグリのチキンスープ仕立て。 雑燴湯(雜共) - 白濁するほどのごった煮スープ 茘枝肉 - トマトケチャップ味の豚肉のレイシ風 酔排骨 - 酢豚に似た豚スペアリブの料理。 蟳飯(蠘飯) - 蟹おこわ。ぶつ切りにしたワタリガニ類を載せて蒸す。 肉燕 - 豚肉を練りこんだ皮で作るワンタン。 太平燕 - 豚肉を練りこんだ皮のワンタン(肉燕)とアヒルの卵のスープ 包心魚丸 - 内側に肉団子を入れた白いつみれ。 淡糟螺片 - テングニシの赤粕漬け。 紅糟羊 - ヤギの紅麹煮。 酔糟鶏 - 鶏の赤粕漬け。 鶏湯汆海蚌 - 鶏、豚、牛肉の出汁を使うハマグリスープ。 老番鴨湯 - バリケンのスープ。 鼎辺糊 - 野菜や干しえび入りの米のワンタン皮の様なスープ 燜麺 - 福清名物の海鮮や豚肉で取った白濁スープで煮込んだ小麦粉製の麺。長崎ちゃんぽんのルーツと考えられる。 芋泥 - タロイモをペースト状にした熱く甘いデザート。太極(陰陽魚)模様にするものもある。 千頁糕 - 福州名物の10層ほどに油を塗った生地を重ねて蒸した菓子。味和のものが著名。 撈興化粉 - 莆田名物の豚のレバー、血、腸などを入れたライスヌードル料理。 薄荷香糕 - 莆田名物の薄荷餅。 肉熗 - 莆田名物の、でん粉を絡めた豆腐団子と豚肉のスープ。
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