神聖帝国ボナベナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 02:18 UTC 版)
カーレル ボナベナの現皇帝。蒼黒い肌で痩せている。シムシャーラの実弟であり、聡明であり文武に秀でた品格で衆目に認められている。元来政務を好まなかった為殆ど政事を顧みることなく、竜の陰の年月五つに第十五代皇帝の位を退いた。スークに対しいろいろ尋ねるから忌憚なく答えてほしいことや、自身を守ってほしいと約束することを求めた。だがスークが皆があなたを守りましょうと発言した為もういいとうなだれた。離宮の一室で首筋に一本の投げ剣が刺さり死亡しているのが発見された。その投げ剣が暗殺団アシュラムの武器と同一だと噂されている。 イルミナ カーレルの帝妃。賢妃の誉れ高い大帝国の冠としてふさわしい閨秀の女である。目配りの細かさで宮中をとりしきり財政の糜爛を戒め、各所に澎湃と起こる暴乱を鎮め、帝室の実をと狙うシムシャーラをしっかりと牽制した。ラムナガルの宿にて起こった火事の際、正体を隠す為乞食女の格好をし訪れ、ダナバザル率いる一隊に助力を求めた。スークの素姓を見透しており、シムシャーラを挟撃するとアシャワンの陣に向かわせた。エルロラ曰くカーレルをアシュラムに見せかけ暗殺したのもイルミナであり、自身の格好な競争相手やフラルの座を脅かしそうな側室や子供も殺し慈悲深く賢明な大后の悪魔神と言われている。報奨を与える際、ダナバザルに婚姻を迫られるがスークに殺させるよう迂遠に伝えた。城に侵入したアシュラム(エルロラ)に剣で胸の真中から背中へと貫かれ絶命した。 フラル 齢七つのイルミナの嫡子であり二十代目の帝位に擁立された。病弱で躰も小さく気弱で甘えん坊だったが母であるイルミナ亡き後、その大葬に打って変わった凛々しさを見せる。以前より成長し幼い挙動だがその裡には慈悲の心情があり、自分を律する芯の強さもあった。ブハラ謁見の間、ツアロを預けてほしいと申し出たスークに対し快く約束した。ヴァロのような鋼馬が欲しいとスークに探してもらうよう頼んだ。 グリード イルミナの側近。側近達の中では唯一スークの話し相手であった。だが二心があり、スークの首と密書を手土産にタルソンに向かおうと目論んでいたが、返り討ちにあい死亡した。 シムシャーラ カーレルの実兄であり人望と実力がある事から帝位相続の際、争闘を生むと恐れられた。褐色肌であり銀灰色の髪を頭頂部から分け、こめかみを白銀の金具で留めており屈強そうな体格。スークに対し「成り上がり」と配慮せず発言するが、オルゴゾンとソムナを討つ為堰堤になるよう話を持ちかける。クルガンの竜ではカーレルの死を謀殺と決めつけた。実兄の立場から先の帝位移譲を不当とし、帝兄として戦い弟の無念を晴らし、自ら帝位を継ぐ意思であることを天下に宣言した。クルガンの竜ではシルヴァヤとその近隣諸国に檄をとばし、大兵を都ヤルダモンに集めて帝都進出の意を宣言した。「皇帝陛下に糾問したきことあり」「突然の退位は専断であり認められ難し。よって新帝推戴は叶わず」と帝位移譲を撤回して旧に復し、推挙の権をないがしろにされた自分に詫びをいれよとの事だった。カーレル退位から三月の間を耐えて待ち、蛮族侵入という無上の好機が与えられた。軍はヤルダモンを発し、親衛軍を率いて自らその先頭に立ちブハラへ向かう。「機を失えば酷薄怜悧なシムシャーラから以後どういう仕打ちを受けるか知れたものではない」と諸侯が先を競い合うようにして集まり大蛇のような軍列を作りブハラに入城した。ダナバザルがダルトム、バルグートの両国を支配下に収めた為、これがタルソン側に大きな痛手となり消え入るかと思われていた皇帝派はフラル帝への支持を表明し、シムシャーラの威を持ってする統制は初めて崩れ動揺する。カーレル亡き後、自陣の軍兵を一人だに動かさず、旧都ブハラでの主の無い盛大な忌みの儀礼をとり行った。スーク率いる軍団「クルガンの竜」に本陣を突き破られ危機的な状況であったが、突然退却していった為九死に一生を得た。ダナバザルに幾度となく挑発的に戦闘をしかけられたが、それにも応じることなく自国軍を率いてブハラ方面に去った。刺客に殺られたと言われていたが、イルミナが殺害される前にエルロラに殺され死亡していた。 カラム皇太子 シムシャーラの義理の息子。病弱なアムルに代わり世継ぎにと迎えられたが、その親族がアムルを邪魔に思い命を狙おうとしたがシムシャーラの耳に入り一族共々皆殺しにされた。アムル曰く本人は自分の出自を聞かされていたかすら疑わしく、親族が何を目論んでいたかも知らなかったらしい。
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