九死に一生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/08 00:28 UTC 版)
1945年4月29日の夜明け、ベルリン市街の建物に陣取るフランスSS突撃大隊のもとへ再びソビエト赤軍戦車が来襲した。武装親衛隊フランス人義勇兵たちは絶好の位置からパンツァーファウストを発射し、敵戦車部隊の第一波を撃退した。 この日、ピエール・ロスタン武装上級曹長の第3中隊は大隊本部が置かれた建物の2階を監視所として使用していた。やがて、ロスタンの耳に新たな敵戦車の接近音が聞こえ、次いでスターリン重戦車がその巨大な姿を現した。ロスタンは恐怖に身を震わせた。88mm級の大砲だけがこの「鋼鉄の化け物」の重装甲を貫けるのに対し、フランス人義勇兵たちの手元にあるものはパンツァーファウストだけであった。 スターリン重戦車が建物から約30メートルの位置にまで迫った時、4箇所から一斉にパンツァーファウストの弾頭が放たれた。しかし、その次の瞬間、フランスSS突撃大隊本部とロスタンの第3中隊が篭る建物は「落盤」した。天井から落下した形鋼が頭部に直撃し、気絶したロスタンは建物の瓦礫に生き埋めにされた。 ロスタンが生存している兆候が無かったため、第3中隊の兵は大隊長アンリ・フネSS義勇大尉に自分たちの中隊長の戦死を報告した。積もった瓦礫の様子を見に行ったフネはショックを受けた。第3中隊の兵と同じく、フネもロスタンが死んだと確信せざるを得なかった。 一方、後に瓦礫の中で目を覚ましたロスタンは、まず自分の手足が動かせるかどうかを確かめた。手足はいずれも骨折していなかったため、ロスタンは自ら動いて瓦礫の中から這い出た。スターリン重戦車はパンツァーファウストで撃破されるとほぼ同時に主砲を放ち、建物を崩壊させてロスタンを生き埋めにしたが、ロスタンの供である幸運は今回も彼を見捨てていなかった。 瓦礫の中から這い出たロスタンがベルリン市街の路上に立った時、遠くから聞こえる戦闘騒音以外、ロスタンの周囲は静まり返っていた。次にすべきこととして降伏は論外であったが、人影の無い道路上でロスタンは途方に暮れていた。しかし、ロスタンはドイツ陸軍反共フランス義勇軍団以来の親友で、今はフランスSS突撃大隊第4中隊長代行のセルジュ・プロトポポフ武装連隊付士官候補生(W-StdJu. Serge Protopopoff)と合流することができ、大隊長アンリ・フネSS義勇大尉のもとへ生還した。
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「九死に一生」の例文・使い方・用例・文例
- おかげさまで助かりました。九死に一生を得た心地でございます。
- 彼は交通事故で九死に一生を得た。
- 彼はその火事で九死に一生を得た。
- 車が横滑りして道路から湖に落ちたとき彼女は九死に一生を得た。
- 九死に一生を得ました。
- 九死に一生を得たことがありますか。
- 彼は九死に一生を得た.
- 九死に一生を得る, 間一髪で助かる.
- 九死に一生を得る.
- 彼らは凍死寸前のところを救助隊に発見され, 九死に一生を得た.
- 彼は九死に一生を得て嬉しがっている
- 九死に一生を得る
- 何しろ医者に見放された病人だから九死に一生を得たのだ
- 危ないところを助かった(間髪を容れず、九死に一生を得)
- けんのんな目に逢った(九死に一生を得た)
- 九死に一生を得た
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