社民党の戦争支持とは? わかりやすく解説

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社民党の戦争支持

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 14:46 UTC 版)

ドイツ社会民主党」の記事における「社民党の戦争支持」の解説

オーストリアセルビア開戦巡って1914年8月1日ドイツロシア宣戦布告8月3日にはロシア同盟国フランスドイツ宣戦布告し8月4日ドイツ軍ベルギー侵攻開始するイギリスドイツ宣戦布告第一次世界大戦勃発した8月4日戦時予算審議のため帝国議会招集されることになり、社民党はその対応を協議するため、8月2日幹部会招集した議論紛糾しフィリップ・シャイデマンらが戦時予算賛成する一方ハーゼらはカウツキー支持得て反対。しかし8月3日議員総会採決賛成78反対14戦時予算案賛成することを決議した。 これを受けてハーゼ社民党議員団団長として8月4日帝国議会において次のごとき戦争支持演説行った。「最良自国民の血によって彩られロシア専制主義勝利を得るならば、ドイツ民族およびその自由な将来にとって、ゆゆしき一大事と言わなければならない。我々は文化と我々自身国家の独立とを確保するため、この危険を防がねばならないここにおいて、我々は、我々が常に『危機に際して祖国見捨てず』と強調してきたところを実行するのである。我々は、こうすることにより、侵略戦争排撃し、各民族独立自衛権利承認してきたインターナショナル精神一致するものと信ずる。しかしながら、我々は、自存目的達成され相手国に平和の意図ある場合にはすみやかに隣人たる諸国民との友情可能にならしむべき平和に変えることを要求する」。 社民党賛成により帝国議会は全党派満場一致50マルク戦時公債案を承認した急進左派リープクネヒトもこの時には賛成票を投じている)。さらにこの際に各党派政党抗争および政府対す反対運動中止することを約束した(「城内平和」)。労働組合先立つ8月2日賃金闘争及びストライキ全面中止することを宣言した。 「城内平和」の成立社民党労働組合政府戦争遂行積極的に協力した社民党戦争協力政府から歓迎され従来社民党員に対す差別待遇大きく改善された。軍部社民党地方組織に加えていた排斥措置撤回され社民党員の経営する居酒屋軍人出入りすることが許されるようになった。軍内での社会主義的文書配布認められるようになった機関紙フォアヴェルツ』の駅売り許可され国有鉄道社民党員を職員採用するようになった労働組合対す全ての訴訟手続き打ち切られるか延期され、「反社民主主義全国同盟ドイツ語版)」も解散となったプロイセン大臣警察高官社民党事務所あいさつ回りする光景珍しくなくなったこうした差別待遇解消は、社民党内の愛国主義をさらに高揚させ、彼らを一層の戦争協力に向かわせた。 一方ロシアボルシェヴィキ指導者ウラジーミル・レーニンドイツ社民党戦争支持を「裏切り」「変節」と呼んで批判している。しかしマルクスエンゲルス社民党党首ベーベルも「ロシア帝国ツァーリズムこそがヨーロッパ社会主義運動の最大の敵」と定義しており、ことにエンゲルス1892年論文の中で「もしフランス共和国ツァーリ支配するロシア帝国と組むのであれば遺憾ながらドイツ社会主義者フランスと戦うしかないだろう」とまで言及していた。これらを考えればドイツ社会主義者主流であるドイツ社民党戦争支持したことはさほど不思議なことではなかったともいえる。

※この「社民党の戦争支持」の解説は、「ドイツ社会民主党」の解説の一部です。
「社民党の戦争支持」を含む「ドイツ社会民主党」の記事については、「ドイツ社会民主党」の概要を参照ください。

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