社会保険庁改革関連法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:41 UTC 版)
「年金記録問題」の記事における「社会保険庁改革関連法」の解説
社会保険庁改革関連法は、2007年(平成19年)6月30日に民主党そして野党二党の反対の中、自民党・公明党の賛成多数により成立した。当時の安倍首相によれば、不祥事を重ねた社会保険庁を2010年(平成22年)に解体し、日本年金機構の新設による職員の非公務員化が柱であった。 民主党は、「日本年金機構」の新設に反対し、その対案として「歳入庁法案」を国会に提出したが、当時の安倍首相からは、「さまざまな問題があった社保庁を公務員組織のまま温存する案だ」として批判された。これに対し民主党の山井和則議員は「今でさえ加入記録が分からないのに(政府案通り)特殊法人化すればさらにうやむやになる」と反論した。また、職員の給与は税金から支払われる「みなし公務員」であると批判した。 また、公務員労働組合(全日本自治団体労働組合、日本教職員組合、日本国家公務員労働組合連合会など)は、公務員改革法案に対しては、能力・実績主義を押し付ける内容だとして反対を表明していた。 自民党の中川秀直は、「社保庁改革案があったため、解体されて非公務員化されれば、いずれ隠していた年金記録問題が明るみに出てしまうので、それならばということで、改革案潰し(自民党潰し)のために社保庁が『自爆テロ』として年金記録問題の情報をリークしたのではないか」と語った。 2008年(平成20年)7月29日、閣議決定された日本年金機構の業務運営に関する基本計画の中で、国民の公的年金業務に対する信頼回復の観点から、社会保険庁からの採用は、懲戒処分を受けた者(ヤミ専従、年金記録のぞき見、年金横領、年金改ざんを行った職員等)は採用しないとされた。ただし、機構に採用されない職員については、退職勧奨、厚生労働省への配置転換、官民人材交流センターの活用など、分限免職回避に向けてできる限りの努力を行うとした。 全日本自治団体労働組合の岡部謙治委員長は、民主党の仙谷由人衆議院議員同席で問題のあった社保庁職員の分限免職回避・雇用の確保を前政権の舛添厚生労働大臣に要請していたが、結果的に2009年(平成21年)12月28日、長妻昭厚生労働大臣は、懲戒処分を受けていた251人の職員を含めた525人を分限免職とする方針を決定し公表した。また、当時の社会保険庁長官渡邉芳樹も、1996年の厚生省汚職事件に関して減給の懲戒処分を受けていたため、機構の副理事長として採用されず、他のポストへの異動も認められなかったことから、12月31日付で退官した。
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