真正手形原理とは? わかりやすく解説

真正手形原理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 08:09 UTC 版)

銀行学派」の記事における「真正手形原理」の解説

真正手形原理によると、銀行家経営者融資する場合生産過程での実物財に対す請求権を表す30日60日、または90日の短期商業手形保証担保)としてそれらとの引き換え限定して行う限り商品生産必要な上の融資発生しない。この原理のねらいは、物価影響与えことなく実質生産量にそれ自身購入手段決定させることである。真正手形原理の下では、中央銀行政策的役割はただ1つである。それは、銀行担保として提供する顧客実手形real customer billsに対して必要な準備金商業銀行貸し出すことである。「真正手形原理"real bills doctrine"」という用語は、ロイド・ミンツが1945年出版した銀行理論の歴史A History of Banking Theory』において造語された。この原理は、以前は「銀行商業貸付理論the commercial loan theory of banking」と呼ばれていた。 さらに、銀行融資は、新し銀行券またはマネーストック主要な構成要素である小切手預金要求払い預金口座への入金という形で商人貸与されるが、この原理は、創造される通貨の量が物価影響与えことなく、ただ購買者が最終生産物として市場から完成品購入できるようにするため必要十分なだけの分量であることを保証する。(なぜなら)次に商人販売受領高から実手形銀行融資real bills bank loans返済し銀行は、次に商品生産資金必要になるまで、返済されお金流通から回収する(からである)。 この原理アダム・スミス陳述いくつか起源を持つ。ジョン・ロー(1671-1729)の『貨幣貿易検討:国に貨幣供給する提案Money and Trade Considered: With a Proposal for Supplying a Nation with Money(1705)』により、真正手形原理の基本的な考え方、「不動産担保とし、商業上のニーズに応じて生産高によって制限される通貨"output-governed currency secured to real property and responding to the needs of trade"」の概念生まれたローは、土地実体(経済)活動尺度および担保とすることにより、通貨膨脹制限し物価の安定性維持しようとした。その後スミスは、ロー生産量プロキシ(価値尺度)である土地代わりに自己回収的な(すぐ現金になるself-liquidating)短期商業手形用い、ここに真正手形原理が誕生した。 真正手形原理に対して批判的だった初期批評家としてイギリス銀行家国会議員慈善家奴隷制反対活動家、そして金融理論家のヘンリー・ソーントン(1760–1815)がいる。彼は、原理3つの主要な欠陥1つ、つまり、本来の意図どおりに貨幣実質生産量リンクするではなく実質生産量×物価、―またはドル表示名目価値―にリンクすることによって、物価から貨幣へ、貨幣から物価へと流れる正のフィードバック・ループ生み出すことを指摘した通貨当局市場貸出金利資本利潤率よりも低く保持している場合、このフィードバックループ継続的なインフレ引き起こす可能性がある。

※この「真正手形原理」の解説は、「銀行学派」の解説の一部です。
「真正手形原理」を含む「銀行学派」の記事については、「銀行学派」の概要を参照ください。

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